政府は13日、高速通信規格「5G」の基地局整備について、2027年度までに全国の人口カバー率を9割以上に引き上げる目標を正式に決定した。現在のカバー率は約7割にとどまっており、特に地方部での整備遅れが課題となっている。
目標達成へ総務省が具体策
総務省が同日公表した「5G整備計画」によると、2027年度末までに全国約5万局の基地局を設置し、人口カバー率90%超を実現する。現状の基地局数は約3万5千局で、今後2年間で1万5千局以上の増設が必要となる。
計画では、都市部だけでなく、中山間地域や離島などでの整備を重点的に進める。補助金の拡充や規制緩和を通じて、通信事業者の投資を後押しする方針だ。
地方創生とデジタル化推進
政府は、5Gの普及が地方創生やデジタル田園都市構想の鍵を握ると位置づける。遠隔医療やスマート農業、自動運転などへの応用が期待され、整備遅れは地域間格差の拡大につながる恐れがある。
総務省の担当者は「地方での5G整備は経済活性化に不可欠。国として積極的に支援する」と述べた。
課題はコストと人材
一方で、基地局設置には1基あたり数千万円のコストがかかり、通信事業者にとって負担が大きい。また、設置工事や保守を行う技術者不足も深刻だ。政府は補助金の増額や、人材育成プログラムの強化で対応する方針。
目標達成には、通信各社の協力が不可欠で、NTTドコモやKDDI、ソフトバンクなどが計画に沿って投資を加速する見通し。楽天モバイルも参入し、競争が促進されると期待される。
5G普及の現状と今後
5Gは2019年にサービス開始され、当初は都市部中心に普及。しかし、地方では基地局が少なく、利用エリアが限られていた。今回の目標は、2025年度までに全国9割という従来目標を事実上、2年延期した形だ。
政府は、2028年度以降の「6G」も視野に、基盤整備を急ぐ。総務省は「5Gの全国展開を確実にし、次世代技術への橋渡しとする」としている。



