近年の日本株高を背景に、高配当株ファンドの好調が続いており、オルカンこと「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」に追加で高配当株ファンドを組み入れる投資家が増えている。本稿では、オルカンに高配当株ファンドを足すことのメリット・デメリットを整理し、NISAで購入可能な高配当日本株ファンドの中から、オルカンを上回るリターンを記録した5本を紹介する。
オルカンに高配当株ファンドを加える効果
高配当株ファンドとは、配当利回りの高い企業の株式に投資し、定期的な配当収入(インカムゲイン)を得ることを目的とした投資信託やETFである。オルカンにこれをプラスすることで、以下のメリットとデメリットが生じる。
メリット:セクター偏りの是正と下落耐性
現在のオルカンは、米国の大手IT企業(エヌビディア、アップル、マイクロソフトなど)の比率が極めて高い。一方、高配当株は金融、機械、卸売、生活必需品など多様なセクターにまたがっており、米国大型グロース株への偏りを緩和できる。また、高配当株は株式相場の下落時にも比較的値動きが安定する傾向があり、ポートフォリオ全体のリスク低減に寄与する。さらに、分配金を定期的に受け取れるファンドもあり、定年後の生活資金としても活用しやすい。
デメリット:成長率の低下と課税
分配金を出すファンドの場合、オルカンのように収益を再投資しないため、長期的なトータルリターンはオルカン単体に劣る可能性がある。また、NISA口座以外では分配金に約20.315%の税金がかかるため、再投資効率の面でも不利となる。これらの点を踏まえ、オルカンと高配当株ファンドの比率は、一例として4:1や5:1程度から始めるのが現実的とされる。
オルカン超えを達成した高配当日本株ファンド5選
以下は、高配当日本株に投資するファンドのうち、1年・3年・5年のトータルリターンのいずれかでオルカンを上回った実績があるファンドである(リターンは2026年7月3日時点、純資産は2026年7月7日時点)。
One高配当利回り厳選ジャパン
国内高配当株に投資し、配当利回りと配当の持続性・成長性を重視する。純資産は右肩上がりで200億円を突破。2026年6月の目論見書によると、上位組入れ銘柄は三井住友FG(7.83%)、東京海上HD(6.34%)、住友電気工業(5.75%)など。
ダイワ好配当日本株投信(季節点描)
日本株に投資し、高水準の配当収入と値上がり益を目指す。年4回(1、4、7、10月)決算。業種構成比は銀行業13.7%、機械8.6%、輸送用機器8.4%、卸売業8.2%など。
日経平均高配当利回り株ファンド
日経平均採用銘柄から予想配当利回り上位30銘柄に投資。2025年12月の目論見書では、アステラス製薬6.9%、野村HD6.7%、SUBARU6.6%、日本たばこ産業6.4%などが上位。
好配当日本株式 オープン
予想配当利回りが市場平均を上回る日本株に投資。純資産は2007年をピークに減少したが、2023年から回復し、2026年に最高値を更新。
しんきん好配当利回り株ファンド(3ヵ月決算型)
予想配当利回りが高く、配当維持が期待される銘柄に投資。年4回決算(3、6、9、12月)。2026年6月には1万口あたり300円の分配金を支払った。
これらのファンドは、オルカンの偏りを補正しつつ、インカムゲインを得たい投資家に適している。ただし、長期的な成長を重視するなら、オルカン単体の方が効率的な場合もあるため、自身の投資目的に合わせて選択することが重要だ。



