5G(第5世代移動通信システム)の本格的な普及が、地方創生の起爆剤となっている。総務省の最新調査によると、2026年までに全国の人口カバー率が9割を超える見通しで、自治体や企業はこれを活用した遠隔医療や自動運転、スマート農業などの新サービスを続々と導入している。
遠隔医療で地域医療格差是正
例えば、山形県の一部地域では、5G回線を用いた遠隔診療システムが導入され、専門医のいない診療所でも高精細な画像診断が可能になった。これにより、患者は長時間の移動を強いられることなく、高度な医療を受けられるようになった。同県の担当者は「5Gの低遅延と大容量通信が、リアルタイムの診断を実現した」と話す。
自動運転で公共交通空白地帯解消
また、自動運転バスの実証実験が全国各地で進んでいる。特に、人口減少が進む過疎地域では、5Gによる高精度な位置情報とセンサーデータのやり取りが、安全な自動運転を支えている。ある実験では、運行コストが従来のバスに比べて約30%削減できる見通しが示された。
スマート農業で生産性向上
農業分野でも、5Gを活用したスマート農業が広がっている。ドローンによる農薬散布や、センサーによる土壌データのリアルタイム監視が可能になり、生産性が向上。ある農家は「収量が従来比で20%増えた」と効果を語る。
総務省は、これらの取り組みを支援するため、2024年度補正予算で新たな補助金制度を創設。地方創生に積極的な自治体を後押しする方針だ。専門家は「5Gは単なる高速通信ではなく、地域の課題を解決する基盤技術としての価値が重要」と指摘する。



