平成2年の優勝以来、36年ぶりの決勝進出を逃した天理。今大会2本塁打の主将・金本相有(さんゆ)(3年)は「自分がチャンスで2回も打てなかったのが負けにつながった」と声を震わせ、敗戦の責任を一身に負った。
双子の兄との約束
金本が野球を始めたのは小学1年のころ。双子の兄・凱将(ときまさ)さんと中学まで同じチームで二遊間を組んだ。高校では、凱将さんが東邦(愛知)、金本は天理にそれぞれ進学。「甲子園で会おう」-。そう誓った金本兄弟だったが、東邦は愛知大会準々決勝で敗れ、聖地での再会はかなわなかった。
東邦の敗戦後、凱将さんから「頑張って甲子園に出てくれ」と声をかけられ、発奮。県大会では20打数10安打の打率5割、1本塁打とチームを2年連続の聖地に導くと、甲子園でも準々決勝までの3試合で打率5割超えと好調をキープし、9年ぶりに準決勝の舞台に駒を進めた。
準決勝での苦闘と家族への思い
迎えた健大高崎との準決勝。「兄が(甲子園に)行けなかった分、家族に恩返しを」と試合に臨んだ。二回にピンチで華麗なグラブさばきを見せると、四回には牽制球で素早くベースカバーに入り、走者をアウトにしてみせた。一方、相手の強力な投手陣を前に、持ち前の勝負強い打撃は鳴りを潜め、無安打2三振に終わった。「難しく考えすぎてしまった」と金本は振り返る。
大会中も応援に駆けつけた両親や凱将さんには、帰ったらこう伝えるつもりだ。「日本一になれんくて、ごめん。でも、甲子園はいい場所やった」(宮崎秀太)



