巨人の新監督に就任した松井秀喜氏が23日の記者会見で、「どこにいても、心の中にジャイアンツがあったんです」と胸の内を明かした。米大リーグ挑戦のため海を渡ってから20年余り。言葉の端々から、チームへの深い愛情がにじみ出た。
渡米時の神妙な表情から一転、満面の笑み
プロ10年目の2002年11月、巨人を離れ、米大リーグに挑戦する意向を表明した。悩み抜いた末の記者会見では、「ジャイアンツ魂を見せつけることがファンへの恩返しになる」と語り、決断の重さを物語るように最後まで神妙な表情を崩さなかった。
ヤンキースなどで活躍し、12年限りで現役を引退。米国での生活を続けながらも、巨人を常に気にかけてきた。「(メジャー挑戦を表明した)あの日は、全く笑顔を出すことはできませんでしたが、今日は満面の笑顔で自分のふるさとに戻ってきたつもりです」と語り、慣れ親しんだユニホームに袖を通した。
現役引退後も巨人を気にかけ続けた日々
現役引退後、米国に暮らす松井新監督が日本メディアの取材に応じる機会には、お決まりのように巨人が話題に上った。「ジャイアンツは日本一にならないと、その年は成功じゃない。自分の感覚ではセ・リーグ優勝だと、まだ半分。負けて終わるのは、全然うれしくない。リーグ優勝で満足ということは、ジャイアンツであり得ないんじゃないかと勝手に思っている」と話していた。
米ニューヨークなどで定期的に開いた野球教室後は、子供たちとの触れ合いや普及振興についてだけでなく、野球の話に花を咲かせた。「寝るのが早いから」と大リーグ中継はあまり見ないと言いつつ、巨人の試合結果や選手たちの動向は、いつも気にしていた。
巨人の低迷について問われた際には「願うのは、巨人軍がいいチームになること。勝って、強い巨人軍になること」ときっぱり。2025年に巨人から米オリオールズに移籍し、好投していた菅野智之については「35歳で挑戦して、あれだけの結果を出しているのは尊敬する。すごい」と感嘆した。チームや後輩たちに向けられるまなざしは、いつも温かかった。
頂点目指す戦いが始まる
12年にユニホームを脱いでから、巨人に関わる機会も増えた。球団に請われ、14年に初めて宮崎春季キャンプで臨時コーチを務めて以降、たびたび指導や激励に訪れ、選手や指導陣らと交流してきた。
23日の就任記者会見では、「ジャイアンツに対する愛というのは、ずっと変わらずに持っていた。一緒にプレーした選手たち、監督、コーチももちろん、同じ時期にユニホームを着ていた方々がおられたので、ただ、応援して勝ってほしいなという気持ちで見ていた」とチームへの思いを口にした。
心を寄せ続けた巨人で、頂点を目指した戦いが始まる。来季、3年ぶりのリーグ優勝と12年以来の日本一奪回に挑む。