熱戦が続く全国高校野球選手権大会。試合開始前、甲子園球場に流れる曲がある。今年の「熱闘甲子園(朝日放送)」のテーマソングである、シンガー・ソングライター、Vaundyさんの「かげろう」だ。
7月に行われた東・西東京大会で取材した際も、記者はこの曲を何度となく聴いた。今年の夏を象徴する一曲になっている。
「かげろう」の二つの意味
夏の暑い日に「かげろう」と聞いて想像する漢字は「陽炎」。この言葉の正しい意味を調べるため、甲子園球場から徒歩5分程度の鳴尾図書館に向かった。
館内には阪神タイガースのマーク入りの黄色い辞書、「三省堂国語辞典 第七版 阪神タイガース仕様」があった。そこには「地面から、透き通った炎のようにゆらゆら立ちのぼるゆらめき」と書かれていた。
そして、次の項目にあったのは「蜉蝣(かげろう)」。その意味は「①トンボに似て、小さく弱々しい昆虫。成虫になると数時間から数日で死ぬ。②命が短い、はかないことのたとえ」。
球児たちの一度きりの夏
記者は、取材がうまくいかなかったときに、「次は頑張ろう」と思う。だが球児たちにとって、このチームでプレーできる夏は一度きりだ。負ければ、蜉蝣のようにはかなく終わってしまう。「次」はもうない。
球児やアルプススタンドで応援する人たちの、一度きりの夏を取材する。「かげろう」は、記者として大切なことを思い出させてくれた。



