元寇船から南宋の矢発見、矢筈に溝なし 元が武器転用か
元寇船から南宋の矢発見 矢筈に溝なし 元が武器転用か

長崎県松浦市の鷹島沖海底で発見された鎌倉時代の元寇船から、矢の一部が見つかった。元(モンゴル帝国)に滅ぼされた中国・南宋の矢の特徴が見られることから、調査した奈良文化財研究所などの研究グループは「元が南宋の武器を接収し、日本への侵攻に転用したことがうかがえる貴重な資料」としている。

矢の構造と南宋の特徴

研究グループは、2023年に水深約18メートルの海底で見つかった船の船底に50センチほど積もっていた泥を採取。CTスキャンによる調査で、泥の中に6本分の矢の末端部分とみられる遺物が見つかった。

一つを取り出して調べたところ、長さは約3センチで、竹でできた矢柄(幹の部分)と、弓の弦を引っかける木製の矢筈、竹で作られたとみられる羽で構成され、全体に黒漆、矢筈に赤漆が施されていた。

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一般的な矢筈は弓の弦を引っかける溝があるが、この矢筈には溝がなく、浅い皿状だった。この形状は矢にかかる強い力を弱めるためで、南宋がよろいを着けた元軍の騎兵対策として改良した矢の特徴と一致するという。

研究価値と今後の調査

同研究所の国武貞克主任研究員は「文献では南宋がこうした矢を作っていたことは確認できるが、現物は見つかっていなかった。元寇の軍備の実態がリアルにわかる大きな発見だ」と話した。

松浦市文化財課は「矢筈の出土事例は初めてで、新たな研究材料になる資料が見つかった点で価値がある。今年度も市で調査を行う予定で、新たな発見に期待したい」としている。

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