第108回全国高校野球選手権大会第13日の18日、和歌山県代表の智弁和歌山は準々決勝で仙台育英(宮城)に11―3で勝ち、優勝した2021年以来の準決勝進出を決めた。一回に打者11人の攻撃で5点を先制。毎回の18安打で11点を挙げ、強打で圧倒した。準決勝は20日、第1試合で横浜(神奈川)と対戦する。
一回にビッグイニング
一回、1点を先制して、なお無死満塁。楠本龍生選手は「最低限の仕事をしよう」と左打席に入った。フルカウントからの6球目を中犠飛にして2点目。さらに好機は続き、押し出し四球と黒川梨大郎選手の適時打で3点を加えて、計5点のビッグイニングにした。
楠本選手は二塁の守備でもチームの勝利に貢献。四回、中前に抜けそうなゴロをアウトにすると、五回は逆シングルで見事なグラブさばきを見せ、九回にもスライディングしながらゴロを好捕。中谷仁監督は「なんか楠本のグラブは神がかっていた」と言うしかなかった。
守備からリズムをつくる
そうしたプレーにも、楠本選手は「もともと守備は自信がなかった」という。だから、ゴロをさばく際の足の運びや捕球後の送球など基本的な動きを個人ノックで繰り返し練習してきた。松本虎太郎主将は「楠本は誰よりも守備にこだわっていた。その成果が出た」と努力をたたえた。
打ち勝つイメージが強いチームだが、「守備からリズムをつくる」ことを目指す。この試合でも、一塁手の荒井優聖選手や左翼手の山下晃平選手が好守備を見せ、甲子園3試合でチームの失策はまだゼロ。「(遊撃の)川原と二遊間でファインプレーを決めようと言っていた。できるプレーをやり切った。守備でチームを引っ張る」と楠本選手。堅い守りが投手陣を支えていく。



