2026年6月24日、サッカーW杯で韓国代表が南アフリカに敗北した直後、李在明大統領が異例の監督批判に乗り出した。李大統領は自身のSNSで「洪明甫監督の戦術ミスが敗因だ」と明言し、韓国サッカー協会(KFA)の体制にも言及。この発言は、大統領が現役監督を直接批判する異例の事態として波紋を広げている。
大統領の「サイダー」的アプローチ
李大統領は閣議でもサッカー敗戦に触れ、「国民の怒りは当然だ」と述べ、国際刑事裁判所(ICC)のネタニヤフ首相逮捕状問題にも言及。韓国にネタニヤフ氏が入国した場合の逮捕状執行の可能性を検討するよう指示した。この閣議で、魏聖洛国家安保室長に「国際法に反しているのではないか」と詰め寄る場面もあり、魏氏は困惑した表情を見せた。
政府関係者は「大統領は米中日など慎重な対応が必要な国と、それ以外の国で態度を変える。後者では世論の素朴な感情を代弁したいと考えているようだ」と分析。別の関係者は「まさにポピュリスト・李在明の真骨頂。千載一遇とばかりW杯に飛びついた」と指摘する。
支持率低下と党内権力闘争
李大統領の支持率は2026年3月に60%超を記録したが、物価高やウォン安、不動産高騰に加え、6月の統一地方選での投票用紙トラブルも重なり、6月末には50%を割り込んだ。不支持が支持を上回る世論調査も出始めている。
さらに、与党「共に民主党」は2026年8月に党大会を予定。新代表の任期は2年で、2028年春の次期総選挙の公認権を持つ。李大統領と距離を置く鄭清来前代表や、首相を務めた金民錫氏が有力候補に挙がっている。
「サイダー政治」の本質
長年李大統領を観察する関係者は「基本的に市長・知事時代からアプローチは同じ。庶民が胸にスカっとすることを絶妙なタイミングで放つ。『サイダー』のあだ名の所以だ」と語る。さらに「敗退した時のことを考えたうえでの投稿ではないか。そうであればKFAや洪監督は気の毒だ」と推測した。



