第39期竜王戦本戦1回戦で、柵木幹太五段が西田拓也六段に勝利した。西田は柔軟な雁木を採用し、終盤まで競るも、柵木の攻めが上回った。両者は今期、ランキング戦で優勝し勢いに乗る。
西田の柔軟な雁木、柵木の攻めが上回る
対局は、西田が序盤から趣向を凝らした。△8五歩に▲6七銀と飛車先を受けないのが西田流雁木の特徴だ。「飛車先の歩交換は防ぐ」というセオリーに反しても戦えるという発想が柔軟かつ斬新で面白い。
後手は低い構えを維持したまま、△7三桂で攻撃態勢を築く。指了図、戦機は熟した。西田が仕掛ける。
両者、今期の勢いを背景に激突
西田は「竜王戦に縁がない」と語っていたが、今期は初の6組優勝を決め、本戦に駒を進めた。特に今年度は本局までの勝率が8割近い。本人は「初戦の今泉健司五段戦から負けていても不思議ではない将棋でしたし、優勝は幸運でした。終盤の競り合いで比較的安定した指し手を続けられたのがよかったかと思っています」と振り返る。
対する柵木は、愛知県出身で棋士になって4年目の若手。増田裕司七段門下で、西田とは甥弟子の関係にあたる。「ランキング戦2期連続昇級」の規定を満たし、五段に昇段した。この1年で勝ち星が集まるようになり、今年度は本局まで9割近い勝率を残す。
西田の研究姿勢、棋理を追究
西田は振り飛車党だが、過去のインタビューで「振り飛車を滅ぼすつもりで研究している」と語った。弱点や急所を徹底的に洗い出し、論理的に戦法と向き合う。西田は「振り飛車は不利と言われていますが、居飛車の立場で振り飛車を滅ぼそうとしたら簡単ではありません。どうやったら振り飛車を持って戦えるのか、ではなく、滅ぼそうという視点で研究することで、居飛車側の気持ちにもなれますし、局面の理解も深まると考えています」と説明する。
言葉の核心は戦型そのものにあらず。棋理を追究し、将棋と真摯に向き合う姿勢に、西田将棋の本質を感じた。



