サッカー指導者で元日本代表の長谷川健太氏が、読売新聞ポッドキャスト「ピッチサイド 日本サッカーここだけの話」に出演し、若手育成の極意を語った。堂安律選手(フランクフルト)や岡崎慎司さんら海外クラブで活躍した選手の育成方法について、ラクロス指導者としての顔もある元日本代表・中澤佑二さんと対談した。
若手にはチャンスを与える
長谷川氏はこれまで清水エスパルスやガンバ大阪などJリーグの4クラブを指揮し、堂安選手や久保建英選手(レアル・ソシエダード)、宇佐美貴史選手(ガンバ大阪)、岡崎さんら海外クラブに羽ばたいた選手を指導してきた。
「無限の可能性が若手にはあると思うようになりました。清水の1年目でいろいろな若手選手を使って、彼らが結果を出してJ1に残留できた。すごい力を発揮すると感じたので、可能性のある若い選手にはチャンスを与えようと」と語った。
岡崎慎司の成長と「めげなさ」
岡崎さんを初めて見たときの印象について、長谷川氏は「下手だったですね(笑)。この子はプロで大成するのかなっていうぐらい」と振り返る。
しかし、「努力して肉体改造して、足も速くなって。練習試合で必ず点を取って結果を出すんですよ。でも、トップの試合ではなかなか結果を出せなくて。また練習試合で点を取る。『じゃあ、またどこかのタイミングで使ってみようか』というのを繰り返して3年目ぐらいからですね、常に試合に出られるようになったのは。時間はかかりましたが、点を取る感覚を本当に持っていた」と成長の過程を説明した。
中澤氏は岡崎さんについて「FWのタイプで、中山(雅史)さんと岡崎が嫌いなんですよ」「この2人はめげないんです。最初の立ち上がり5分くらいで(強く当たって)『ガチャン』ってやると嫌がるFWも多いんです。でも、この2人は繰り返し、繰り返し勝負に挑んでくるんですよ」と評した。
堂安律と藤本淳吾の「先生役」
ガンバ大阪で指導した堂安選手も岡崎さんと似た第一印象だったという。「高校生で入ってきて大活躍という感じにはいかなかったですね。でも、ユースの試合では無双状態で、『ユースじゃ別格なんだな』って」と当時を振り返る。
高校を卒業してフィジカルの成長と共にトップチームの試合にも慣れていったが、「律もなかなか自分のプレースタイルを模索していた。ユースではボールが集まってきたと思うんですけど、プロになると自分のプレーエリアがほぼ決まってくる中で、どういうスタイルでいくべきかつかみきれなかった」という。
そこで長谷川氏は、堂安選手の手本になる選手をチームに加えた。「藤本淳吾を(マリノスから)ガンバに入れたんですよ。もちろん、淳吾は戦力として入れたんですけど、律のプレーモデルにもなってくれればいいなと。律も淳吾と一緒に過ごす時間が長くなるので、参考にするんですよね。淳吾が入ってからグッと伸びたと思います。律のいいところはシュートだから、シュートを打つためにどういう形でポジショニングを取るのか、藤本淳吾をだいぶ参考にしたんじゃないかなと思います」と明かした。
宇佐美貴史の才能と印象
長谷川氏は宇佐美選手も印象深い選手に挙げ、「モノが違うなと思ったのは宇佐美ですね。何にもないところからチャンスを作って自分で決めちゃうんで。『こんな選手いるんだな』って、びっくりしましたね。まぁ守備はサボりますけど」と語った。
長谷川氏は元日本代表で、清水エスパルスなどでプレー。引退後はエスパルス、ガンバ大阪、FC東京、名古屋グランパスで監督を務めた。1965年生まれ、静岡県出身。



