サッカーW杯北中米大会は17日、グループKの試合が米テキサス州ヒューストンで行われ、コンゴ民主共和国がポルトガルと1-1で引き分け、同国史上初の勝ち点を獲得した。この結果を受け、エボラ出血熱の流行の中心地である同国ブニアには、めったにない祝福の機会が訪れた。
歴史的な一戦
コンゴは、ヨアネ・ウィサが決めた同国のW杯史上初ゴールにより、クリスティアーノ・ロナウドを擁するスターぞろいのポルトガルから貴重な勝ち点1をもぎ取った。国名がザイールだった1974年大会の代表チームは無得点14失点で3戦全敗だったが、その不名誉な記憶は払しょくされた。
フランス人指揮官のセバスティアン・デサブル監督は、「彼らは非常にポジティブな方法でコンゴを代表してくれた。国全体がこの結果にふさわしい」と述べ、選手たちを誇りに思うと語った。
エボラ流行地での反応
その思いは、エボラの流行で最大の打撃を受けている同国北東部に位置するイトゥリ州の州都ブニアに確実に響いた。最新の公式統計によれば、コンゴと隣国ウガンダのエボラ感染者は837人、死者は196人となっている。ブニアでは、215人の感染者が確認されている。
そうした状況の中、まともに動く数少ないテレビでW杯を観戦することは、ひとときの慰めとなった。ウィサのゴールは純粋な歓喜の光景を巻き起こし、若者たちは両腕を突き上げて飛び跳ね、顔を喜びで輝かせながら、トタン板で覆われた店の外で喜んだ。
感染予防と観戦の狭間
当局がエボラの感染拡大を防ぐため、5月末に集会を50人までに制限する決定を下していたものの、バーは満員御礼状態。テレビのあるバーを見つけて大喜びしていたアントワネット・マカシさんはAFPの取材に対し、「自分の国を応援できるのは光栄なことです」と話したものの、ソーシャルディスタンスが保たれていないことに懸念を示し、家に帰ったら「必ず消毒をします」と語った。
一方、試合前はすべて順調とはいかなかった。街中心部の交差点に設置された巨大スクリーンの前には、ほほに国旗のペインティングをし、ユニホームを決めた100人ほどの若者が集まっていたが、スクリーンは真っ暗なままで期待は裏切られることになった。
エリティエ・デュボさんは「一日中、毎日エボラの広告ばかり流しているくせに、試合の時は大画面を消すなんて」といら立ちをあらわにした。タクシー運転手のクロード・マニワさんも「腹が立っている」「俺たちの多くはテレビを持っていないし、そもそも電気だって常に問題があるんだ」と話すと、「当局には失望した」と言い放った。
その後、若者たちはバイクタクシーに飛び乗り、試合が見られる店やレストランを探しに向かった。この国にとってめったにない良いニュースがもたらされた夜。それは、わざわざ運賃を払ってでも見に行く価値のあるものだった。



