赤字経営が常識とされるサッカークラブ運営において、ベルギー1部リーグのシント=トロイデンVV(STVV)は、2022-23シーズンに黒字化を達成した。このクラブは動画配信や電子書籍を手がけるDMMグループが経営し、現在は200社を超える日本企業のスポンサー収入が売上の最大の柱となっている。
日本資本のクラブが初の欧州リーグへ
2025年夏、STVVは16シーズンぶりにベルギー1部リーグ上位6チームによる「プレーオフ1」を3位で終え、来季のヨーロッパリーグ予選プレーオフの出場権を獲得した。クラブ創設102年の歴史で初の快挙である。
STVVのCEO・立石敬之氏は「プレーオフ1進出は大きな目標だった。買収当初から目標にしてきた。8年かかったが、まだ見ぬ景色を見ることができた」と語る。日本資本のクラブが欧州大会に出場するのは初めてで、現地メディアやサポーターも非常に喜んだという。
黒字化を支えた日本企業スポンサー
STVVの収益構造の特徴は、日本企業からのスポンサー収入だ。DMMグループの経営下で、ユニフォームスポンサーやスタジアム広告などに日本企業が多数参画。ジャパネットたかたも出資するなど、「オールジャパン」の輪が広がっている。これにより、リーグ最高水準の財務体制を実現した。
日本式経営の試行錯誤
経営面では、年3回の個人面談を実施するなど、日本式のマネジメントを導入。選手やスタッフとのコミュニケーションを重視し、組織の一体感を高めた。しかし、2部への降格危機やベルギー国内からの批判も経験。それでも、地道な改革を続けた結果、黒字化と成績向上を両立させた。
次のフェーズ:日本の指導者・フロントを世界へ
STVVは今後、日本の指導者やフロントスタッフを世界に送り出す役割も担う。DMMグループは、クラブ運営で培ったノウハウを日本サッカー界に還元し、人材育成のプラットフォームとしても機能させる方針だ。



