筑西市の中野衛さん(51)が、5月にポーランドで開かれたベンチプレス世界選手権でチャンピオンに輝いた。専用のシャツを着用する「エクイップ部門」の50歳代男子59キロ級で150キロを記録し、初めての世界選手権挑戦で快挙を成し遂げた。
大学生の頃に始めたベンチプレス
ベンチプレスを始めたのは大学生の頃。部活でアメリカンフットボールをやっていたとき、筋肉トレーニングの一環で取り組んだ。やり込むほど体つきも変わり、「自分と比べて体が大きい選手に負けないくらいの重さを挙げられるのがうれしい」と筋トレ種目のなかでも熱心に取り組んだ。
中高生時代も柔道、サッカーと運動部に所属し、「仕事でもスポーツに携わりたい」とつくば市内のスポーツクラブにインストラクターとして就職した。24歳の頃から大会に出場するなど本格的に取り組み、初参加の県大会では105キロを挙げて準優勝。ただ、1位の選手は自分より35キロ重いバーベルを挙げ、「悔しさのほうが大きかった」という。
頸椎の変形を乗り越えて
その後、2004年と06年に開かれたアジアベンチプレス選手権大会で優勝し、県大会に出場すれば常に1位だった。42歳の時にはつくば市内の大会で自己ベストの185キロを出した。
転機は46歳の時だった。突然、首に寝違えたような違和感を覚えた。病院で検査を受けると、頸椎の骨が変形していることがわかった。特に右腕が思うように動かず、スポーツクラブの仕事にも支障を来した。
「好きなベンチプレスを続けたい」とリハビリに励んだ。首に負荷がかからないよう、腕の動かし方、脚の開き方などのフォームを細かく見直した。「例えるなら、右投げの野球選手が左投げに変えるようなものだった」と振り返る。
世界一の喜びと新たな目標
昨年、地元の筑西市内のスポーツクラブに転職した。上司らの後押しを受けて世界大会に出場し、優勝を果たした。「結果を出して戻ってくることができ、ほっとした」という。
ただ、記録には満足していない。「自己ベストを更新して、ゆくゆくは50歳代男子59キロ級日本記録の188キロを超えたい」と目標を語る。筑西の世界チャンピオンは今日もトレーニングに励んでいる。



