鎮西、ダンスで熊本に元気届ける 日本高校ダンス部選手権で絆の演技
鎮西、ダンスで熊本に元気届ける 高校ダンス部選手権

「第19回日本高校ダンス部選手権(スーパーカップダンススタジアム)」の全国準決勝大会が横浜市のパシフィコ横浜で開かれ、最大震度7の地震に見舞われた熊本県から鎮西が出場した。被災直後に一時、練習ができなくなるなど厳しい環境でも「ダンスで熊本に元気を届けたい」と前を向いてきた。決勝大会進出は逃したが、鮮やかなパフォーマンスで会場を沸かせた。

「絆」で彩ったステージ

背中に「絆」の一文字、約束を表現する「指切り」のイラストがデザインされた水色と白の衣装が、ステージをさわやかに彩った。2日目(18日)のビッグクラス(13~40人)でステージに立った鎮西の衣装は青空のように長く続く友情という思いが込められ、27人が一体感を前面に出したヒップホップダンスをみせた。肩を組んで同じ動きをするシンクロダンスも織り交ぜたパフォーマンスが評価され、エースコックスーパーカップ特別賞に輝いた。

1日目(17日)のスモールクラス(2~12人)では9人が赤と黒の衣装に身を包み、ジャズ音楽に乗ってリズムを刻んだ。静かな踊りは徐々に激しくなり、次々とフォーメーションを変えて「自由な発想」を表現した。

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九州大会当日に地震

九州大会当日に激しい横揺れ地震のあった7月28日は、準決勝大会出場がかかった九州大会の開催日だった。午後4時27分ごろ、全チームが演技を終え、結果発表を待っているときだった。会場全体が激しい横揺れに襲われ、一時騒然とした。スマートフォンに表示された震源地は「熊本県」。鎮西の部員や保護者は一斉に家族への安否確認を行った。

ダンス部顧問の小嶋麗子さん(46)は「生徒をいかに早く保護者に渡すかを第一に考えていた」と振り返る。3日後には別の全国大会の予選が予定されていた。被災し、自宅外へ避難した部員や、自宅のライフラインが止まった部員も少なくなかった。小嶋さんは「出場させていいのか」と葛藤したという。だが、部員らの作品にかける思いや、保護者からの「出ないほうが一生の後悔をさせることになる」との言葉に後押しされ、出場を決意した。

大会当日、全員が集結

大会当日は無事、全員が集まることができた。会場では熊本地震の支援のため、募金活動などが行われ、関係者からは励ましの言葉をかけられたという。小嶋さんは「生徒たちも集まれるのかという不安、つらい思いがあったと思う」と話す。いつもと変わらない様子で演技を披露した部員も、演技終了後にはこらえていた涙があふれ出ていた。結果は両チームともに優勝を果たした。

「エール送れた」

日本高校ダンス部選手権では決勝大会進出はかなわなかったが、部員たちは充実した表情をみせていた。スモールクラスのチームリーダーで3年の池田颯也さん(17)は「やりきった。100点満点」と話した。ビッグクラスのチームリーダーの3年、平山紅音さん(18)は「被災した部員も、ほかの被災者の力になろうと思って踊った」と振り返り、「全てを出し切った。熊本にエールを送ることができた」と力強く語った。

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