第108回全国高校野球選手権大会第4日の8日、1回戦4試合が行われ、大分商(大分)は日本文理(新潟)に6―4で逆転勝ちし、29年ぶりの初戦突破を果たした。
大分商は六回、杉山の適時打などで2点を勝ち越すと、七回にも2点を加点。救援した平田が7回2失点の粘投を見せた。日本文理は八回に2点差まで追い上げたが及ばなかった。
平田、絶体絶命のピンチで救援
2点目を奪われ、なお三回無死一、二塁。2ボールの場面で急きょマウンドに上がった大分商のエース平田は「球場の雰囲気を変えよう」と考えた。外角に150キロの直球を投げ込むと、狙い通りどよめきが起こり「これで抑えられる」と確信した。
絶体絶命のピンチは「大好きなシーンだ」と言い、150キロ前後の直球で2人を内野ゴロに打ち取り危機を脱すると、中盤以降は力で圧倒する投球で味方の逆転を呼び込んだ。
平田の成長と潜在力
1メートル88、80キロ。フォームはダイナミックだが、球にばらつきのあった右腕は今冬、米大リーグ・アストロズの今井達也を参考にコンパクトな腕の振りをマスターし、制球力を向上させた。
大分大会で作った右中指のマメが気になって決め球のスプリットは封印したが、速球と鋭く曲がるスライダーで潜在力の高さを十分に示した。「チームを勝たせるピッチングをしたい」と平田。胸が躍る場面を待っている。
監督・選手の声
大分商の那賀監督は「(逆転勝利に)よく生徒が慌てずにやったなと。甲子園で心が強くなっているのが見えて、うれしい」と語った。
日本文理は2年生の5番臼木が3安打2打点と奮闘。4点を追う八回無死一、三塁で「絶対に打ってやろう」と狙っていた平田のスライダーをはじき返し、三塁線を破る適時二塁打としたが、直後に自身の走塁ミスもあって追いつけなかった。「チームを勝たせてあげられず悔しい。この悔しさを来年、甲子園に戻って晴らしたい」と大粒の涙を流した。
日本文理の鈴木監督は「反撃のチャンスまでしのぐ、というところで差が出てしまった。(大分商・平田の)変化球でカウントをとる精度は(大分大会から)成長していたのでは」と話した。



