夏の甲子園で智弁和歌山が優勝し、中谷仁監督(47)が2021年夏以来となる母校の頂点をもたらした。「うちの選手たちの勝ちたいという思いと、応援が一体になった結果」と学校一丸での勝利を強調した。
前回優勝から3年、重圧との闘い
前回の優勝は、高嶋仁前監督の後を継いでわずか3年後の栄冠だった。周囲の期待は高まり、昨春の選抜で準優勝しても「負けて帰ってきたなって空気がしんどかった」と振り返る。重圧を知るからこそ、今大会初戦の直前には緊張で固まる選手に「勝敗は俺の責任やから。楽しくやろうや」と呼びかけた。
データ活用の「準備野球」
1997年夏に捕手で主将として母校の初優勝に貢献。その後の阪神、楽天、巨人でのプロ生活15年のうち、7年間は同じ捕手だった野村克也監督の下でプレーした。そこで学んだのが、データの活用だ。相手の分析や勝利に必要な戦術の備えを徹底する「準備野球」を掲げ、選手には試合前に相手投手の配球データを読み込ませる。「僕は泥臭くて、うまくはない選手だった。だから準備にこだわるんです」と笑う。
名将と呼ばれることを嫌い、サポート役に徹する
押しも押されもせぬ実績を残しても、名将と呼ばれることを嫌う。「僕は選手のサポート役。『しくじり先生』みたいに、僕ができなかったことを伝えたいだけ」。選手たちを見守るまなざしは、父親のように優しかった。
中谷監督は和歌山市出身。2017年にコーチに就任し、監督として春夏の甲子園に9度出場している。



