村上宗隆・山田哲人不在も首位争い!ヤクルト池山監督の成果を出すチーム作り
村上宗隆・山田哲人不在も首位争いのヤクルト池山監督の手法

東京ヤクルトスワローズが、村上宗隆や山田哲人といった主力選手を欠く中、前年の最下位から一転してセ・リーグの首位争いに加わっている。その原動力として注目されるのが、就任2年目の池山新監督のリーダーシップだ。チームがピンチや選手の失敗に直面しても、指揮官は笑顔で鼓舞し、「失敗してもいいから挑戦すべきだ」という空気がベンチに漂う。これは単なるスローガンではなく、現役時代のプレースタイルと地続きの指導方針であり、コーチや選手は「この人の言うことなら信頼できる」と感じ、力を発揮しやすくなっている。

信頼が生む「プロアクティブ行動」の連鎖

日本総合研究所のリサーチ・コンサルティング部門に所属する石山大志マネジャーと宮下太陽シニアマネジャーは、チームの成果がリーダーの采配だけではなく、選手一人ひとりの挑戦的な行動の積み重ねによって生み出されると分析する。信頼できるリーダーのもとで選手が自分の役割に意味を見いだし、失敗を恐れず自ら考えて一歩を踏み出す——こうした行動が増えることで、チーム全体の活力や成果につながるという。

ここで重要な概念が「プロアクティブ行動」だ。これは個人が自ら進んで環境に影響を与える先見的かつ未来志向の行動であり、組織に好影響をもたらす自律的な行動を指す。日本総研の調査では、プロアクティブ行動をとることが高い成果につながることが示され、さらにその促進要因として「自己効力感」と「集団的効力感」が特定された。

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自己効力感と集団的効力感が挑戦を後押し

自己効力感(「自分なら達成できる」という認知)を高める手段として、「信頼する人からの説得・肯定」が有効だとされる。池山監督は今季、打順の起用意図を選手一人ひとりに明確に伝えているという。例えば、強打者の定位置とされる3番や5番に実績十分とは言えない若手・中堅を据えたり、8番に投手を置いたりする采配も、奇をてらったものではなく、データと適性を踏まえた打線全体の最適解として本人に説明されている。信頼するリーダーから役割を明示されることで、選手は安心して挑戦できるのだ。

さらに、集団的効力感(「自分たちのチームなら達成できる」というチームレベルで共有された信念)も重要だ。調査では、これが個人とチーム双方のプロアクティブ行動に有意に寄与していた。個人の自信だけでなく、「集団としての自信」が挑戦を生むというわけだ。

快進撃を生み出す「連鎖」

池山監督のリーダーシップは、選手のプロアクティブ行動を引き出し、それがチーム全体の成果につながる好循環を生んでいる。主力不在という逆境を乗り越え、首位争いを演じるヤクルトの姿は、リーダーシップと組織行動の理論を具現化した好例と言えるだろう。

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