W杯日本人サポーターのゴミ拾い称賛、30年前の習慣が世界を魅了し続ける背景
W杯日本人サポーターのゴミ拾い称賛、30年前の習慣が世界を魅了

2026年サッカーワールドカップ北中米大会で、日本代表サポーターによるゴミ拾いが再び世界的な話題を集めている。6月15日早朝(日本時間)のオランダ戦後、青いゴミ袋を持って観客席を清掃する姿がFIFA(国際サッカー連盟)の公式Xに投稿されると、再生回数は3933万回を突破。対照的に、前回優勝国アルゼンチンのリオネル・メッシが初戦でハットトリックを達成した動画は、同日時点で14万ビューにとどまり、約300倍もの差がついた。

世界が称賛する「日本の伝統」

開催国アメリカのスポーツ専門チャンネルESPNは公式Xで「他のどの国にもない伝統」と称賛。神戸学院大学現代社会学部の鈴木洋仁准教授は、この現象を「もはやW杯の風物詩」と分析する。鈴木氏は「世界からの称賛は今回が初めてではなく、背景には日本人に対する特別な『視線』がある」と指摘する。

ゴミ拾いの習慣は約30年前の1997年にさかのぼる。当時、日本代表サポーターはチームカラーの青でスタンドを彩るため、青いゴミ袋を風船代わりに使用。同年11月8日のW杯アジア最終予選・カザフスタン戦では、読売新聞が「心はもうフランス、サポーター熱狂」と報じ、この行動が初めてメディアに取り上げられた。

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なぜゴミ拾いが世界を魅了するのか

鈴木氏によれば、日本人サポーターの行動は「偽善」との揶揄すら定番のセットになるほど注目を集める。欧米メディアは「日本人はみんな同じ顔をしている」と評することもあるが、その背景には「欧米の評価を気にするアンビバレントな姿勢」が存在するという。

今回のオランダ戦は2対2の引き分けという劇的な内容で、強豪相手に堂々と渡り合った直後にもかかわらず、サポーターは冷静にスタンドを片付けた。鈴木氏は「この冷静さと視野の広さに誰もが驚く」と評価する。

世界の反応と文化的背景

1980年代に英国で社会問題化した「フーリガン」のような過激なファンとは対照的に、日本人サポーターの行動は世界中の模範とされている。鈴木氏は「ただチームを愛する純粋な思い」が根底にあるとしつつ、国際社会が日本人に求める「礼儀正しさ」のステレオタイプが称賛を増幅させている可能性も指摘する。

FIFA公式Xの投稿にはBGMと英語インタビューが付されているが、淡々とした内容にもかかわらず巨大な反響を呼んだ。鈴木氏は「サッカー『報道』を好むメディアの傾向も一因」と分析する。

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