戦没者を追悼し、平和を願って鐘を鳴らす「8・15津・平和の鐘」が15日、津市内76か所の寺院などで行われる。企画する市民グループ代表の駒田博之さん(90)は9歳で津空襲を目の当たりにした経験から、平和への思いを後世に伝えようと、9回目となる今年も鐘の音を響かせる。
9歳で見た空襲の光景
津市は1945年3~7月に空襲を受け、2500人以上が犠牲になったとされる。旧椋本村(現津市芸濃町椋本)で家族6人で暮らしていたという当時9歳だった駒田さんは、特に激しい空襲を受けた同年7月28日夜、空襲警報が鳴る中家を出ると、市街地に火が瞬く間に燃え広がっていた。
翌日、窓の外を見ると、炎に焼かれて全身が真っ黒の人々が通り過ぎていった。市街地から来たと分かり、空襲があったことを実感した。同年8月15日、玉音放送を聴き、祖父母や両親が「負けた」と泣いていた。近所に住む同級生と「これからどうなるのか」と不安な思いを話したことを今でも覚えているという。
平和への思いを鐘に込めて
「今の平和は多くの犠牲のもとにあるということを知ってほしい」。自身の経験から、平和の大切さを次世代に伝えなければならないと企画したのが平和の鐘だった。津市内の寺に協力を求め、2018年に各寺などで鐘を鳴らす「8・15津・平和の鐘」をはじめた。当初は約40か所だったが、年々活動に賛同する寺院が増え、今では倍近くの76にまで増えた。
津市久居幸町の市文化財「子午(とき)の鐘」では、15日の正午から午後1時まで、訪れた市民らが鐘をつくことができる。
駒田さんは「年代問わず多くの方に来ていただき、戦争や平和について考えるきっかけにしてほしい」と参加を呼び掛けている。



