熊本県八代市の日本製紙八代工場で、地震発生時に機器のメンテナンスを担当していた60代の男性が30日、読売新聞の取材に応じた。男性は28日、朝から敷地内で点検作業を行い、午後4時頃に工場東側の事務所へ戻って休憩していたという。
大きな横揺れで椅子ごと体が浮いた
すると「ドドド」という地鳴りとともに、大きな横揺れに襲われた。座っていた椅子ごと飛ばされ、体は宙に浮いたという。
揺れが収まり、他の作業員らとともに屋外へ出ると、張り巡らされていた金属パイプは折れ曲がり、建屋の1階部分はひしゃげていた。避難場所となっていた敷地内の広場にたどり着いた際には、見慣れた煙突が折れてなくなっていることに気がついた。
「まさかあの大きな煙突も折れるなんて」
男性は「まさかあの大きな煙突も折れるなんて。煙突の下にいた可能性もあると思えば恐ろしくてたまらない」と述べた。
死亡が確認された8人の中には知り合いもいた。男性は「今はショックで何も言葉が出ない」と話した。
30日も救助活動、最後の従業員の救助完了
八代工場では30日も消防や自衛隊などが救助活動にあたり、手作業でがれきを撤去する様子が見られた。従業員らが敷地周辺を見て回り、倒壊した建屋を確認するなどしていた。日本製紙によると、この日は従業員同士で被災状況について情報共有を行ったという。
八代市災害対策本部によると、午後5時半頃に工場で取り残されていた最後の従業員の救助が完了した。容体や性別は明らかにしていない。



