自治体職員続々と熊本被災地へ、「相互支援」で10年前の教訓活かす
自治体職員続々熊本へ、相互支援で教訓活かす

地震による不明者の救出や被災者の支援が急務となる中、熊本県の被災地に各地の自治体から派遣された応援職員が続々と駆け付けている。10年前に熊本を襲った大規模地震を教訓に結んだ、災害時の相互支援の枠組みなどに基づくもので、捜索現場や避難所で地元職員と協力しながら活動している。

避難所で心温まる支援

28日夕の地震で震度7の揺れに見舞われた宇城市の避難所。30日午前、「地べたに座るとつらい」と訴えた被災者の女性(84)のもとに、福岡市職員の田中晃輔さん(26)が椅子を運び、優しく声をかけていた。田中さんのポロシャツの背中には「福岡市 WITH THE KYUSHU」と書かれている。女性は「遠い所から来てくれてありがたい。色んな町の人たちが応援してくれることに心が温まった」と笑みを浮かべた。

同じく震度7に襲われた氷川町の竜北東小学校では、町の職員に加え、福岡市から4人、長崎市から2人の職員が来援し、避難者数の把握、食料や水の配給などの業務を担っている。長崎市防災危機管理室の国竹教一係長(52)は「どれだけサポートできるか不安で緊張するが、それ以上に被災者の日常生活は奪われている。少しでも力になりたい」と話した。氷川町町民課の男性職員(52)は「応援がないと業務が回らない」と感謝する。

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相互支援の枠組みが機能

九州市長会は、最大震度7を2度観測した2016年の熊本地震を教訓に、翌17年、大規模災害時に被災自治体からの細かな要請を待たず、各自治体が支援を始めることなどを盛り込んだ「災害時相互支援プラン」を締結。これに基づき、今回の地震では28日の発生直後から各地の応援職員が現地入りしている。

福岡市は九州市長会防災部会の事務局を務め、構成する11自治体の派遣先などの調整役を担っている。同市防災企画課によると、30日までに北九州市や長崎市など8市が約40人を熊本県内の3市町に派遣。同課の池田和浩課長は「災害はいつ起きるかわからない。相互に助け合うという気持ちで、被災者たちが一日も早く安心でき、生活を再建できるよう連携しながら全力を尽くしたい」と述べた。

他県からの応援広がる

熊本県の災害対策本部にも、地震が起きた28日から他県の自治体から職員の応援が入っている。11年に九州地方知事会が結んだ「九州・山口9県災害時応援協定」などに基づき、情報収集や支援ニーズの把握などに携わり、30日朝時点で九州各県のほか兵庫県、鳥取県など9県、福岡市、宮崎市など9市の職員が支援する。

医療面でも、他県からの支援が寄せられている。災害派遣医療チーム(DMAT)は近畿以西の府県に応援要請があり、少なくとも30チームが活動する。被災者の心のケアをする災害派遣精神医療チーム(DPAT)も、沖縄や新潟などから八代市の熊本労災病院を拠点に支援に入った。

人命救助や治安維持の現場にも熊本県外の警察らが続々と投入されている。福岡県警は28日から機動隊や交通部の警察官など計166人を被災地に派遣。多数の死者、安否不明者が出ている嘉島町の「イオンモール熊本」や、八代市の日本製紙八代工場などで捜索や交通整理を行ったほか、氷川町の倒壊した建物で被災者の救助活動に携わった。30日にも62人が活動に加わり、被災地のパトロールや避難所で被災者支援を行うという。

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