熊本地震では30キロ以上にわたって地表に活断層によるずれが現れ、直上では高速道路に大きな段差が生じ、九州新幹線ではレールが引き離され、小学校校舎は破壊されて使えなくなった。傾いたり壊れたりする住宅も相次いだ。
過去にない多数の被害
「ここまで長く断層が地表に出て、多くの建物に被害を与えることは過去にあまりなかった」。8月下旬、建築構造に詳しい熊本高専の後藤勝彦准教授とともに、熊本地震の断層沿いを回ると、壊れた建物が次々に目に入ってきた。
熊本県八代市の市立龍峯小学校では、校庭を横切るように断層のずれが現れた。その延長線上には、鉄筋コンクリート造の校舎がある。校舎は大きな亀裂が入り、ずれ動いていた。
「構造上重要な柱にも大きなひびが入っていて致命的だ。基礎部分も傾き、非常に損傷が厳しい」と後藤さんは話す。
公共施設の立地を考える
児童が夏休み中だったのは不幸中の幸いだった。倒壊は免れたものの、損傷が激しいため避難所としても使えず、授業は別の小学校で再開せざるを得なくなった。
宇城市の延福寺では、鉄筋コンクリート製の本堂が浮き上がった形で、水平を保っていた。断層の上下動によって約1メートルの落差ができて片側の地盤が落ち込み、直後は地中の杭がむき出しの状態になっていた。本堂前のアスファルトにも亀裂が入り、大きな段差ができた。
活断層は全国に2千以上あるとも言われ、大都市の直下にも存在する。激しい揺れをもたらすのはもちろん、地面のずれによる破壊も見逃せない。「特に公共の建物は、地震が起きる可能性が高い断層の上に建てることを避けた方がよいかもしれない」と後藤さんは指摘する。



