クビアカ被害、和歌山県中部へ拡大 薬剤散布の補助金創設へ
クビアカ被害、和歌山県中部へ拡大 薬剤散布の補助金創設へ

和歌山県内で深刻化している特定外来生物「クビアカツヤカミキリ」(通称・クビアカ)の被害を受け、県は2027年度から、農家による薬剤散布に補助金を創設する方向で調整している。約10年前に県北部で見つかったクビアカの生息域は中部まで広がり、9月28日にはウメの名産地・みなべ町でも初めて確認された。県はこれ以上の被害拡大を何としても食い止めたい考えだ。

被害は県北中部の19市町に拡大

クビアカは、ウメやモモ、サクラといったバラ科の植物の樹皮の割れ目などに卵を産み、孵化した幼虫が木の内部を食い荒らし、枯死させる。

県鳥獣害対策課によると、クビアカは17年にかつらぎ町で発見され、以降、生息域を拡大。現在は和歌山や海南、印南、日高川、みなべなど、県北中部の19市町に広がっている。今年6月末までに農地2034園地の樹木1万1045本に被害が出たという。

新たな予防対策として補助金を活用

県は20年度から、被害を受けた樹木を伐採した上で根を抜く「抜根」や、根をシートで覆う「根覆い」などを行う農家に対し、市町村を通じて金銭面の支援をしている。だが、被害は拡大する一方で、新たな対策が必要と判断した。

県が27年度の開始を検討している事業では、国の地方交付金の活用を想定。農協が設けるクビアカの対策協議会などに補助金を出し、農家が格安で薬剤を調達できる環境を整えるという。農家は、クビアカの成虫が飛び始める6~8月頃、殺虫剤や産卵を抑制する薬剤を集中的に散布する。

県は、被害が確認されていない田辺市などの農家にも、農地に薬剤をまいてもらい、生息域の更なる南下を防ぎたい考えだ。

同課の担当者は「事後的対策では、対応が後手に回り、被害拡大を抑えられなかった。薬剤散布などの予防対策に一層力を入れる必要がある」と語った。