栃木県警、警察犬の臭気選別試験を廃止へ 出動ゼロ受け
栃木県警、警察犬の臭気選別試験を廃止へ 出動ゼロ受け

栃木県警は、警察犬の採用に関する試験項目を見直し、においをかぎ分ける「臭気選別」を試験項目から廃止する。臭気選別の捜査機会が減っていることが理由で、11月16日に行われる警察犬嘱託審査会から適用される。試験項目が変更されるのは、1967年に項目が定められて以来初めてとなる。

臭気選別の廃止と足跡追及の継続

臭気選別は、一つのにおいを覚えさせ、複数の布の中から同じにおいをかぎ分ける試験。遺留品のにおいをもとに犯人を特定する捜査手法のための項目だったが、実際にこうした捜査が行われる機会は少なく、県警によると、昨年1年間の臭気選別の出動はなかったという。

一方、行方不明者などのにおいを追う「足跡追及」は今後も試験項目として継続する。高齢化が進み、行方不明者捜索の出動件数は年々増加しているためだ。県警鑑識課によると、2021年の行方不明者の捜索件数は61件だったが、25年は120件で倍増している。警察犬の役割の中で、行方不明者の捜索は主要な任務となっている。

警戒作業は残し、訓練負担も軽減

県内には日光や那須御用邸などがあり、皇族が来県される機会も多いことから、物陰に隠れている不審者を見つける「警戒作業」も試験項目として残す。

県警の警察犬は民間で飼われている犬に業務を委託する形式で採用されている。飼い主は、1年以上訓練して審査会に参加するケースが多い。訓練は試験項目にあわせて行っており、試験項目が減れば、その分、犬はもちろんのこと訓練所に通わせる飼い主の負担も減る。審査会はこれまで長時間にわたって行われていたが、項目の見直しで時間も短縮される見込みだ。

同課の担当者は、「実際の出動内容に即した試験内容で採用できるため、より活躍できる警察犬の確保につながる」と話す。