愛知・名古屋アジアパラ競技大会には、新興国や紛争地域の選手たちも多く出場している。練習環境に恵まれない選手たちを支援してきた国内の関係者らは、彼らの活躍によりパラが持つ「変える力」に多くの人が気づくことを期待している。
インドでの2年半、選手たちの成長を実感
2024年までインドで視覚障害者柔道の選手を指導した元海外協力隊員の長尾宗馬さん(29)が、2年半の経験を振り返った。「最初に練習を見た時は、本当にパラリンピックに出るの?というレベルだった。それがたった2年でメダルを取るとは」
2022年3月にインド北部のラクナウ市に渡った当初、畳はぼろぼろでエアコンもない劣悪な練習環境で、内気だった選手たちは練習もどこか気が抜けていたように見えた。だが、その年の12月に常設の道場ができ、ようやく環境が整った。
「助けてあげる」という先入観が消えた
2024年のパリ・パラリンピックに向けて稽古に熱が入り出した時、長尾さんは選手たちが「自分にはない集中力を持っている」ことに気づいた。「視覚的な情報がない分、組み合った時に手や耳で相手の動きに集中する力はすごい。自分の中で『助けてあげる』という先入観が消えた」
パリ大会には、指導した男子選手らが出場した。長尾さんは、限られた環境下でも成果を上げた選手たちの姿が、パラスポーツの可能性を示すものになると語る。