作家の藤原智美氏は、事例やエピソードの引用について具体的なアドバイスを述べている。つまらない事例やエピソードなら、無理をして引用しないほうが良いという。せっかくオリジナリティのある本論でも、陳腐な事例やエピソードが入ると全体が陳腐化する恐れがある。
魅力的な事例・エピソードの条件
藤原氏が心がけているのは具体性だ。例えば消防士が登場する小説を書くためのインタビューでは、「なぜ消防士になろうと思ったのか」といった内面的な話は聞かない。代わりに、消防服を着たときの感触やホースの重さといったディテールに徹底的にこだわる。事例やエピソードは具体的に書くほどリアリティが増し、読み手に響くという。
ディテールに隠された魅力
さらに、ディテールに読み手が知らない事実が含まれていれば効果的だ。例えば大工の隠語で柱に小さな傷をつけることを「ケシキをつける」と呼ぶといった知識があれば、読者を惹きつける道具になると藤原氏は指摘している。



