東大合格に生まれつきの才能は不要?地方の受験生が諦める本当の理由
東大合格に才能は不要?地方の受験生が諦める理由

東大合格者の6割が関東出身という現実

東京大学の合格者の約6割が関東地方出身である。この数字は、長年にわたりほとんど変わっていない。多くの人は「地方の子は塾も少なく、教育環境が悪いから学力で負ける」と考えがちだ。しかし、一般財団法人ドラゴン桜財団代表理事で『ドラゴン桜2』編集担当の西岡壱誠氏は、全国の高校で授業をする中で考えが変わったという。

地方の生徒は地頭も努力も首都圏に負けていない

西岡氏は北は北海道から南は沖縄まで、全国の地方の学校で生徒に教えている。そこで出会う生徒たちは非常に優秀で、地頭でも努力量でも首都圏の生徒に引けを取らない。むしろ、地元の進学校でトップを走る生徒の中には、首都圏の有名校の生徒以上に光るものを持つ者がたくさんいるという。

学力が高いのに東大を目指さない理由

それにもかかわらず、地方の優秀な生徒はなぜか東大を目指さないか、途中で諦めてしまう。西岡氏はその理由を「比較対象の欠如」にあると指摘する。首都圏の進学校に通う生徒にとって、東大生は「先輩」だ。同じ部活の一つ上の先輩、同じ塾の自習室で隣に座っていた人、文化祭で見かけた赤門の中の人――生身の東大生が身近にいる。「ああ、こういう人が東大に行くんだ」「自分とそんなに変わらないな」と肌感覚でわかる。

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地方の受験生にとって東大生はテレビの中の存在

一方、地方の生徒にとって東大生はテレビの中の存在だ。クイズ番組で難問を解く人、ニュースで「天才」と紹介される人――つまり、「自分とはまったく違う種類の人間」として映ってしまう。結果として、地方の受験生から「東大なんて、自分とは住む世界が違う人が行くところでしょう?」という声をよく聞く。西岡氏は「これは決して謙遜ではなく、本気でそう思っている」と語る。

判断基準そのものがない

地方の生徒の周りには「東大に届くかもしれない、近い距離にいる人間」が一人もいない。その結果、「自分の学力が東大に届くのか届かないのか、判断する基準そのものがない」という状態になる。この「比較対象の欠如」こそが、学力差ではなく、地方の受験生が東大を諦める本当の理由だと西岡氏は結論づけている。

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