猛暑の影響で、大学の夏の恒例イベント「オープンキャンパス」が様変わりしている。高校生が夏休みなどに志望する大学を訪れ、キャンパスの雰囲気を感じる貴重な機会だが、近年は熱中症のリスクが高まり、コロナ禍で広がったオンライン開催が改めて注目されている。
大阪公立大は全面オンラインに切り替え
大阪公立大は今夏、対面で開催してきたオープンキャンパスをオンラインに切り替えた。ここ数年、熱中症の症状を訴える参加者がいたことなどが理由という。
8月上旬に杉本(大阪市住吉区)や中百舌鳥(堺市中区)など各キャンパスで実施してきたが、最高気温が35度以上の猛暑日となることが多かった。広い敷地を歩き回り、体調不良になる高校生が毎年数人いた。人気のプログラムに応募が集中し、第1希望を体験できない参加者も多かった。
オンライン開催のメリット
今年は全面オンラインで、今月4日に特設サイトを開設した。全12学部・学域の模擬授業などを録画した「オンデマンド型」がメインで、参加者は10月末まで、好きな時に視聴できる。5学部・学域は、質疑応答の時間があるライブ配信のプログラムも提供する。1年生全員が学ぶ森之宮キャンパス(大阪市城東区)では、10月にキャンパス開放イベントを開く。
入試課の担当者は「夏の対面開催はリスクが大きく、昨夏から検討してきた。オンラインなら遠方の生徒にも情報が届く」と話す。
オンラインを継続する大学も
オンラインのオープンキャンパスは当初、コロナ禍で広まった。収束後はほとんどの大学が対面に戻したが、猛暑への配慮や利便性から、オンラインを継続する大学もある。
東京大は2020年以降、オンラインのみで開く。国内外の参加者が集まり、スーパーカミオカンデ(岐阜県飛騨市)などキャンパス外の施設も紹介できる。昨年は2日間で1万人近くが参加し、社会連携推進課の担当者は「オンラインは暑さや台風の影響を受けず、高校生にとっては質問しやすいようだ。キャンパスは開放しており、いつでも来てもらえる」とする。千葉大も暑さへの懸念などから、オンラインを続ける。
時期をずらす大学も
中央大は時期を変更し、多摩キャンパス(東京都八王子市)で6月下旬に開いた。夏休み中だった昨年に比べ参加者は3割減ったが、曲田統・入学センター所長は「本気で志願する生徒の割合は高まった」とみる。
進路指導アドバイザーの倉部史記さんは「今後、オンラインと対面の併用が広がる可能性はある。入学後、思っていた大学生活と違うと感じる『ミスマッチ』を防ぐため、一度は現地に足を運ぶ方が良い。キャンパスを開放している大学は多いので、オンラインも賢く使い、学ぶイメージをしてほしい」と話している。



