不登校の子に必要なのは学校復帰より社会復帰?元教員が語るフリースクールの実践
不登校は学校復帰より社会復帰?元教員のフリースクール

不登校の子どもたちの受け皿となるフリースクールでは、どんな日常を送っているのか。元教員が運営する「寺子屋TANQ」では、学校復帰ではなく社会復帰を目指す独自の教育実践が行われている。

「自己決定」を重視するフリースクールの理念

「自己決定することは非常に難しいし、怖い。定められた評価基準に則って、与えられたものをこなしているほうが楽かもしれません。でも、それではこれから社会に出て、幸せに生きてはいけないと思うのです。とはいえ、自己決定をしていくには時間がかかりますよね。それを待つことが大人の役割なのではないでしょうか」と、運営者は語る。

寺子屋TANQでは、子どもたちが自分の興味や関心に基づいて学びを選択することを大切にしている。修学旅行も生徒たちの興味を軸に行き先を決めており、2025年は関西へ、2024年には4泊5日の東北の旅へ出かけた。何年生でも参加でき、「行かない」という選択も自由だ。

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エネルギー学習を軸にした東北への修学旅行

「一昨年、エネルギーについて学ぶことに夢中になった生徒がいました。地熱発電や近未来のエネルギー開発、原子力発電の問題など、たくさんの学びを得られるという東北が行き先として提案されました。でも、エネルギーに興味がある生徒は彼だけ。だから、鉄道に興味がある子を巻き込むために三陸鉄道に乗るプランを入れたり、歴史好きの子のために会津若松の鶴ヶ城を盛り込んだりして、参加者を増やしていきました」と運営者は振り返る。

エネルギーについて学ぶ旅では、岩手県の松川地熱館、青森県の六ケ所原燃PRセンター、当時再稼働が決まったばかりの宮城県女川原発を回った。その後、宮城県石巻市の門脇小学校の東日本大震災の震災遺構に向かった。子どもたちは想定の3倍以上の時間、すべての展示と動画コンテンツに見入っていた。その翌日には、東京電力廃炉資料館に行き、大人が深々と頭を下げ、懺悔し続けている姿に衝撃を受けた。

「なぜ?」という親の焦りが「コースを外れるだけだ」に変わるまで

次のページでは、親の焦りがどのように変化していくのか、具体的な事例を紹介する。続きはこちら。

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