小学校体育「運動遊び」4年生まで拡大へ、ゲーム性で楽しく
体育「運動遊び」小4まで拡大 ゲーム性で楽しく

文部科学省は2030年度以降に実施予定の次期学習指導要領で、小学校2年までの「運動遊び」を小学4年までに広げるなど、体育の授業内容を見直す方針を固めた。

子どもの運動時間は減少傾向にあり、夢中になって全力で体を動かす機会を増やし、生涯にわたってスポーツに親しむ土台をつくる考えだ。

小学3、4年生「体育」の見直し案

現行の小3、4年の「走・跳の運動」「水泳運動」など全6領域を、小1、2年と同様に「走・跳の運動遊び」「水遊び」などに名称を変更する。小4までの神経系の発達が進む時期に多様な動きを身につけられるよう、活動量の多い体育を目指す。

Pickt横長バナー — Telegram用の共同買い物リストアプリ

具体的には、運動が苦手な児童でも「楽しい」と感じられるよう、各領域にゲーム性を取り入れる。例えば、学級をネコとネズミの2グループに分け、教員が「ネコ」と言ったら、ネコがネズミを追いかける。列に並んで順番に走るより、全員が一斉に全力疾走するため運動量は多く、敏しょう性も養うことができる。

実際の授業でも遊びの要素を導入

東京都三鷹市立北野小学校では、全学年の体育で遊びの要素を取り入れている。7月初旬に行われた2年生の授業では、準備運動で全身を使ったジャンケンを実施。グーは膝を抱え、パーは手足を大の字に伸ばした。児童は45分間の授業中、「走・跳・投」を組み合わせた8種類の運動遊びを行い、息を切らしながらも歓声を体育館に響かせた。

中学校や高校でも、生徒の実態とかけ離れた高度すぎる内容を改める方針だ。中1、2年では「球技」を「ボール運動」に、「陸上競技」を「陸上運動」に変更するなど、特定の技能習得や記録の競争ではなく、楽しさや自己目標を達成しやすい内容とする。

運動遊びの効果と背景

岐阜大学などの研究チームが25年に発表した調査結果によると、小1を対象に半年間、運動遊びを準備運動に取り入れ、基礎的運動能力の変化を比べたところ、50メートル走や立ち幅跳び、ソフトボール投げの伸び幅が全国平均を上回った。

運動遊びが求められる背景には、子どもの体力や運動習慣を巡る変化がある。スポーツ庁の25年度調査によると、体育の授業を除いた1週間の平均運動時間は小5の男子で約8.7時間、女子は約5.3時間と、いずれもコロナ禍前の19年度と比べて約30分減った。小中ともに反復横とびや20メートルシャトルラン、持久走などの結果は、コロナ禍前の水準を下回った。一方、スマホなどの画面を3時間以上見る小中学生は4〜5割前後で、19年度より3〜15ポイント増えた。

椙山女学園大学の佐藤善人教授(学校教育学)は「運動が苦手な子も『やってみたい』と思う体育に変えることで、活動量を確保できる。仲間と体を動かす楽しさを知り、生涯スポーツの基礎を築くことにつながる」と話している。

Pickt記事後バナー — 家族イラスト付きの共同買い物リストアプリ