ドラえもん研究家で富山大学名誉教授の横山泰行氏は、勉強や運動が苦手なのび太のエピソードから、大人こそ見習うべきポイントがあると指摘する。
45年後ののび太「きみはつまずいても、立ち直る強さがある」
漫画「ドラえもん」の一場面。45年後ののび太が、現在ののび太と体を入れ替えてもらうため、ドラえもんにひみつ道具「入れかえロープ」を使わせる。昔を懐かしんだ未来ののび太は、家に帰るとすぐにママに「のび太!宿題もしないで!」と怒鳴られる。それを聞いて「若いなあ……。もっとしかって!」と喜ぶ。パパにも会って満足したのち、お礼に宿題を手伝おうかと申し出るが、現在ののび太は「いいよ、自分でやるから」と断る。それを見て未来ののび太は左手で肩を叩き、こう勇気づけた。
「一つだけ教えておこう。きみはこれからも何度もつまずく。でもそのたびに立ち直る強さももってるんだよ」
これを聞いた現在ののび太は「少しのぞみがわいてきた」と、自ら進んで楽しげに勉強を始めた。
抱えている問題も、1年後には片付いている
私たちは現実には未来の自分になることはできないが、時間が経てば今の問題は片付いている。ただし、問題から逃げずに真剣に取り組んだ場合に限る。横山氏は、目の前の困難に絶望せず、将来に不安を抱く必要はないと説く。つまずくたびに立ち向かえるはずだと、のび太の姿を通じて教えてくれる。
本稿は、横山泰行『ポケット版「のび太」が教えてくれたこと』(アスコム)の一部を再編集したもの。



