次期学習指導要領で情報教育が大幅に拡充されることに対し、教育関係者からは「画期的」との評価がある一方、実現に向けた懸念も指摘されている。文科省の方針では、現行の年間総授業時間は「増やさない」とし、小中学校で情報が増える分は各教科から少しずつ削って時間を捻出する案が示された。国語、算数・数学だけを削るのではなく、社会、理科、音楽、図工、家庭、体育、英語などからも削る方針だ。ただし、小中学校の道徳や中学校2・3年生の音楽、美術などは年間35時間であり、これ以上削ると週1コマもできなくなるため、削らない方針としている。
調整授業時数制度で学校裁量拡大
今回の改訂の目玉は、各校が設定する授業時間数を学校裁量で一部減らすことを可能とする「調整授業時数制度」だ。先行的に実施している目黒区立中目黒小学校や愛荘町立秦荘西小学校では、45分授業を40分に短縮し、浮いた時間(年間127コマ分)を子どもたちの自学自習や探究の時間、教職員研修に充てている。現行の学習指導要領の分厚い教科書のもとでも、毎回5分ほど授業時間を短縮しても特段問題は起きていないという。
ICTを活用することで板書やプリント配布・回収の時間を短縮でき、小学校45分、中学校50分に固執する必要はない。体育や図工・美術、探究などでは2コマ連続でじっくり取り組む方が効果的な場合もある。現行制度でも学校裁量はあるが、改訂後はより学校ごとに子どもたちの状況に応じた時間割編成が可能になる。
週時間割の課題
現行では週あたり29コマで組む小中学校が多く、子どもたちはほぼ毎日6時間目まで授業があり疲れるほか、教職員にも余裕がない。小学校で6時間授業後、児童の下校時刻は15時30分~16時頃となり、授業準備や研修の時間はほとんど残されない。中学校でも6時間目以降に部活動指導が加われば、時間外勤務が当たり前となる。



