「結局、今日も何も決まらなかったな…」と感じる会議は少なくない。悪気はないが、いつも会議が迷走してしまう部長には、ある資質が欠けているという。それは「質問力」だ。
質問の質が会議の成果を左右する
経営コンサルタントの河田真誠氏は、仕事ができる人ほど質問の重要性を理解していると指摘する。多くの参加者は「この答えで合っているのか」「見当違いなことを言っていないか」と不安になり、「発言しないでおこう」と考えがちだ。しかし、発言が少ない会議は参加者の問題ではなく、質問の「質」の問題であると河田氏は述べる。
質問の効果は人間の脳の特性と深く結びついている。脳科学者の西剛志氏は著書『結局、どうしたら伝わるのか? 脳科学が導き出した本当に伝わるコツ』(アスコム)の中で、通常の話を聞くときは左脳の言語野が活性化するが、対話形式で質問をされると右脳も活性化すると説明する。脳全体が活性化することで、話の内容をより明確にイメージしやすくなるという。伝え方がうまい人は、質問を投げかけながら話をしているのだ。
命令より質問が効果的な理由
西氏は同書で「命令」は効果が薄いと指摘する。命令されると脳は逆のことや別のことをしたくなるためだ。例えば、「頑張ろう!」と伝えたいときは「頑張れそう?」、「やり抜こう!」ではなく「やり抜けそう?」と質問する方が効果的だと解説されている。
質問をされると、脳はそれを自分ごととして捉え、答えを探そうとする。このメカニズムが、会議での発言を促し、意思決定をスムーズにする鍵となる。質問の力は脳の特性と結びついており、いち早く気付いて質問の魔力を使いこなした人たちが偉人と呼ばれるようになったのかもしれない、と河田氏は締めくくっている。



