関西圏の中学入試は、大阪の高校授業料無償化(所得制限の撤廃)の影響と、兵庫の学校改革の活発化によって、かつてないほど盛り上がりを見せている。2026年度入試の中学受験率は過去最高を更新し、その勢いは当面続くと予想される。中堅の共学進学校や関関同立の付属校(共学)が人気を集める一方、女子校は生徒募集に苦戦するケースが多い。そんな中、2027年度入試で存在感を示すと期待される兵庫の女子校2校を紹介する。
甲南女子中学校:新コース制と探究的学びの重点化
1校目は、神戸市東灘区に位置する甲南女子中学校。教育目標に「知性と品格を備えつつ時代を生き抜く女性」の育成を掲げ、2012年に完成した新校舎とコース制によるきめ細かな指導で知られる。近年は神戸女学院などの難関校の併願先としても存在感を放つ。
同校が注目される最大の理由は、2027年度にスタートする新教育体制にある。柱となるのは「新コース制」と「探究的学びの重点化」の2つで、新たな学びの3本柱として「リベラルアーツ」「サイエンス」「グローバル」を据える。
新コース制では、中学1年で「プライムコース」と「エクセレンスコース」に分かれ、1年間で学力を底上げ。中学2年からは「プライム」「エクセレンスα」「エクセレンスβ」の3コースに再編され、最上位の「エクセレンスβ」は難関国公立大学・国公立大学医学部を目標とする。中学卒業時点での実用英語技能検定の取得目標は2級で、高校の教育課程は中学2年生の途中から開始する。
探究的学びでは、中高6年間で体系的に学ぶプログラムを用意。中学では多様な学びに触れる「ジェネラリスト」としての基盤を作り、高校では専門性を育む「スペシャリスト」へとシフトする。近年は大学や企業との連携も活発で、総合型選抜入試への強みにもつながっている。
小林聖心女子学院中学校:英語教育と推薦枠の強み
2校目は、兵庫県宝塚市にあるカトリック校・小林聖心女子学院中学校。「魂を育てる」「知性を磨く」「実行力を養う」の3つの教育方針を掲げ、全人教育を実践している。小学校からの12年間一貫教育が特徴で、かつては「小学校受験の学校」というイメージが先行していた。
しかし、中学校の募集広報に注力した結果、「中学以降の6年間の教育の魅力」が再認識され、2026年度入試では受験生が大幅に増加。人気回復の波が訪れている。
魅力の1つ目は英語教育で、4技能(読む・書く・聞く・話す)の育成に力を入れ、弁論大会やスピーチコンテストでの上位入賞実績もある。中学入学生のみを対象とした独立授業や「土曜英語」、少人数授業でサポートする。
2つ目は独自の探究プログラム「ソフィータイム」。情報を扱う力、フィールドワーク、高大連携、学習センター(図書館)の活用という4つのポイントを基に、思考力と行動力を養う。
3つ目は進路実現。国公立大学や医歯薬系、難関私立大学への高い合格実績があり、高校2・3年からは少人数選択授業を多数設定。系列の聖心女子大学への無制限進学に加え、上智大学への指定校推薦(2人)やカトリック校対象特別推薦、関関同立を合わせて40人以上の推薦枠を保有している。
両校とも100年を超える伝統校で、「指導のきめ細やかさ」が強み。2027年度入試では、この2校が女子校の人気回復の鍵を握る存在となりそうだ。



