作家の藤原智美氏は、表現力について考える際、まず「表現力=ボキャブラリーの豊富さ」という誤った認識を改める必要があると指摘する。もし表現力が語彙に比例するなら、類語辞典を引きながら文章を書けばよいことになるが、類語辞典にできるのは機械的な言い換えだけだ。
借りてきた言葉で言い換えても、文章に込める思いを深めたり、自分の思考と文章のズレを修正したりするのは難しい。別の言葉で言い換えれば言い換えるほど、自分の言いたいことからかけ離れていくという。
言葉を自分のものにする方法
表現力を高めるには、まず言葉を自分のものにする必要がある。藤原氏は若いころ、ある作家の作品を手書きで何度も書き写したという。文章が気に入っていたからだが、結果的にその作家の言葉が血となり肉となり、自分の文章にも違和感なく使えるようになったと述べている。



