浪人という選択をする人は、20年前と比べて半数ほどになっている。「浪人してでも行きたい大学がある」と考える人が減る中で、長い時間をかけて学び続ける経験は、人をどのように変えるのか。
自身も9年間の浪人生活を経て早稲田大学に合格した教育系ライターの濱井正吾氏が、さまざまな学び直しの経験者にインタビュー。その道を選んで良かったことや、頑張り続けられた理由を探る。今回話を聞いたのは、神奈川県横浜市生まれの榎木英介さんだ。
雑誌『Newton』に影響を受け、科学者を志す
榎木さんは、雑誌『Newton』に影響を受けて科学者を目指すように。早稲田大学で1年間の仮面浪人を経験し、その後1浪を経て、東京大学理科二類に合格した。
しかし、科学者になるために進学した東大で、人生最大の挫折を味わう。「研究室を出入り禁止に」なったのだ。
「仕方なく」医学部へ、28歳で編入
休学を経験した後、榎木さんは1年間の受験勉強を経て、28歳で神戸大学医学部3年次に編入。32歳で医師免許を取得した。
「人生はキャリアプランニング通りにいかない」と言い切る榎木さん。科学者を断念し、「仕方なく」選んだ医学部の道で見つけたのは「意外な天職」だった。
浪人という挫折経験が自分を謙虚にさせる
2度の浪人経験と博士課程での挫折を経て得た教訓。それが「浪人という挫折経験が自分を謙虚にさせる」ということだ。
浪人という選択をする人が20年前の半数ほどになる現在。それでも榎木さんは、長い時間をかけて学び続けた末に医師の道を見つけた。キャリアプランニング通りにいかない人生だからこそ、浪人という挫折経験が自分を謙虚にさせ、新たな天職へと導いた。



