エジプトのムハンマド・アブデルラティーフ教育・技術教育相は朝日新聞の取材に応じ、日本式教育をエジプト全土の小学校に本格的に広げたい考えを示した。これを後押しするため、広島大学が教員養成に乗り出すことになった。
エジプト日本学校での取り組み
エジプトで行われている日本式教育は、日直や学級会、学校行事など、日本の学校で一般的に行われているものだ。知識偏重教育から脱し、主体性や協調性、社会性などの人間性もはぐくむことを目的としている。
エジプトには今年8月現在、「エジプト日本学校(EJS)」と呼ばれる公立校が69校ある。日本では幼稚園児から高校生に該当する児童や生徒を受け入れるEJSでは、日本式の「トッカツ(特別活動)」の授業が行われている。アブデルラティーフ氏は「特活などを通じて、子どもたちが自立し、自分を管理できるようになった」と評価する。
全土への拡大と教員不足
アブデルラティーフ氏は、EJSを今後5年で500校に増やし、日本式教育をエジプト全土の公立小学校約1万8千校にも本格導入する方針を示した。
そのために必要なのが、日本式教育を実践できる教員の存在だ。エジプトの全ての公立小学校で特活などを本格的に行うには専門的な知見を持つ教員の数が不足しているという。
広島大学との協定
そこで教育・技術教育省は今年4月、広島大学と協定を結び、教員養成のためのプログラムを実施することに決めた。同大は9月から、教育学の専門家約10人をエジプトに派遣し、現地での教員養成に取り組む。
エジプト側はこのプログラムを通じて、この先の2年でまずは200人の教員を養成し、将来的には年間5千人の養成を目指している。



