文部科学省は2026年度、社会人のリスキリング(学び直し)に取り組む大学や専門学校などを支援する制度を創設する方針を固めた。専門組織を新設する場合、複数年にわたって補助金を支給する方向だ。AI(人工知能)など成長分野の人材育成につなげる狙いがあり、来年度予算の概算要求に関連費用を盛り込む。
支援の具体像
複数の政府関係者が明らかにしたところによると、文科省は、大学などが学部や学科を横断して、リスキリングの調整役を担う組織を新設することを想定する。企業・業界団体と連携協定を結んだり、外部のコーディネーターや講師を確保したりすることを促す。
大学などが民間と連携してリスキリングに特化した外部法人を設立する場合なども支援対象とする見通しで、文科省は今後、詳細な制度設計を進める。
戦略分野と人材育成
高市内閣は、AI・半導体や量子、航空・宇宙など「17の戦略分野」について官民投資を進める方針で、大学などが持つ最新の知見を生かしてリスキリングを進め、これらの分野の人材を確保したい考えだ。
経団連が昨年夏、民間企業に実施した調査によると、リスキリングで大学の活用を希望する企業は全体の57%に及んだが、実際に国内の大学や大学院と連携している企業は約4割にとどまった。社会人向け講座の教員の確保や、カリキュラムの設計のノウハウが不足していることなどが課題となっている。
政府の取り組み
政府は6月、文科省や厚生労働省、経済産業省など関係府省庁で作る連絡会議を設置し、企業のニーズに沿った学習プログラムの開発も進めている。
政府は7月に閣議決定した「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)」で、大学の体制強化とプログラム開発などを通じて、リスキリングの「機会を拡充する」と明記した。



