文部科学省は、教員1人当たりの学生数を基準に全国の大学から100学部を選定し、少人数教育を支援する方針を固めた。支援事業にこのような基準を用いるのは初めて。令和9年度予算の概算要求に事業費として165億円を盛り込む。
文系学部の現状と目標
文系学部では1人の教員が40人近くを教える現状があり、きめ細かな大学教育を目指して改善を促す。文科省によると、教員1人当たりの学部・院生数は理学系の6.4人に対し、社会科学系は36.9人と大きな開きがある。少人数教育や双方向学習の実施に支障があるとみられ、文理融合などを通じて少なくとも25人程度への改善を促す。工学系の27人を基準に目標数値として設定した。
支援対象と事業内容
全国2700学部のうち、100学部を選定する。現在の数値が高い場合でも、5年間で改善させる事業計画に基づき判断する。人工知能(AI)技術を活用した授業や、国内・海外留学などの支援費用として、1学部当たり平均1億6000万円を5年間支給する。
文科省は令和9年度から3年間で100学部ずつを選ぶ方針で、最終的に300学部が支援対象となる。支援する留学費用には海外だけでなく国内も含まれ、例えば地方の山村留学などが想定されるという。
学生の多様性確保の狙い
特に首都圏の大学では関東出身者の比率が高まるなど、日本国内でも学生の多様性が失われているとの指摘がある。学生のうちに地方の課題や現状を学ぶことで、視野の広い人材育成につなげる狙いだ。



