政府は外国人材の受け入れ規模を管理する「量的マネジメント」の検討に着手したが、自民党と日本維新の会の間で受け入れ拡大か総量管理かで溝がある。外食分野では受け入れ枠を超え、新規入国を事実上停止する事態も起きている。
外国人材の受け入れ拡大を求める経済界と、受け入れ規模を国が制限すべきだとする日本維新の会の間で、政府が難しいかじ取りを迫られている。昨年10月の自民党と維新の連立政権合意を受け、政府は今年7月、受け入れ規模を管理する「量的マネジメント」を含めた基本方針の検討に本格的に着手した。ただ、自民は人手不足に悩む業界の意向を無視できず、維新の思惑とは隔たりがある。
外食分野で受け入れ枠超過、新規入国を事実上停止
外食分野では4月、在留資格「特定技能」の受け入れが想定を上回るペースで進み、政府が新規入国者らの受け入れを事実上、停止する事態となった。政府が今年1月に定めた受け入れ枠の5万人を超える見通しとなったためだ。2月末時点ですでに約4万6000人に達していた。
「想定外の速さで満員になった。失敗だった」。自民中堅は見通しの甘さを認める。受け入れ枠が少なすぎたという認識だ。
維新は総量管理を主張、自民・政府は慎重
しかし維新は、業界ごとの要望に応じ続ければ、外国人の受け入れ規模が際限なく膨らみ、社会との摩擦が生じかねないと警戒する。維新は自民との連立合意書に、外国人政策の「肝」と位置付ける量的マネジメントを含む基本方針の策定を盛り込んだ。
政府は7月、外国人の受け入れの在り方を検討する有識者のワーキンググループを設置した。今年度内の基本方針取りまとめを目指すが、政府高官は「連立合意に書いてある以上、何もしないわけにはいかないということだ」と語り、量的マネジメントの打ち出しには消極的だ。
自民・政府に総量管理への慎重論、維新は反発
自民・政府内には厳格な総量管理への慎重論が根強い。ある自民議員は「日本の外国人比率は欧州に比べて低く、量的マネジメントを議論する段階ではない。維新は有識者の話をよく聞いて勉強してもらったらいい」と突き放す。
こうした自民・政府の消極姿勢に対し、維新からは「自民は各業界とのしがらみがある」(中堅)と反発が出ている。外国人の受け入れ規模について自維がどこまで考え方をすり合わせられるのかが課題だ。



