デジタル教科書は危険?東大教授が語る北欧の紙回帰の理由
デジタル教科書は危険?東大教授が語る北欧の紙回帰の理由

教育現場でのデジタル教科書やAI活用が進む中、東京大学大学院総合文化研究科の酒井邦嘉教授は「非常に危険な兆候だ」と警鐘を鳴らす。先進的に導入を進めてきた北欧で、いま紙への回帰が進んでいるという現実を見れば、その結果は明らかだと指摘する。

紙の本が優れている理由

酒井教授は、紙の本が「読み書き」や「記銘」などの学習活動でデジタル機器よりはるかに優れていると主張する。紙には「先ほど読んでいたのは右ページの上の辺り」といった実体としての手がかりが豊富で、学習者は空間的な手がかりを利用して内容を記憶する。また、字を書く際もノートのどの辺に書いたかという視覚情報が記憶の定着を促す。

デジタル機器の問題点

一方、デジタル機器では画面上でスクロールや拡大縮小ができるため、位置関係が分からなくなる。さらに、スイッチを切れば教科書という実体が一瞬で消えてしまい、学習ツールとして不適切だと指摘する。

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QRコードやリンクが逆効果

紙の教科書に掲載されるQRコードやリンクが増えることで、情報量が紙の教科書をはるかに超える恐れがある。すると、何をどこまで学べばよいか分からなくなる。学習の基本は「限られたものに繰り返し触れる」ことにあるが、デジタル化による情報過多がその根本を損なうと警鐘を鳴らす。

※本稿は、酒井邦嘉『AI脳クライシス』(集英社インターナショナル)より一部を抜粋・再編集したものです。

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