算数が得意な子の親が実践する「単純接触効果」と「流暢性効果」の活用法
算数が得意な子の親が実践する脳科学効果の活用法

東北大学加齢医学研究所教授で脳科学者の瀧靖之氏は、家庭で「算数脳を育むためにできること」について、脳科学の視点から具体的な方法を紹介している。

4〜6歳の子どもにできること

算数脳を育むために、子どもが4〜6歳のときにしたいことは乳幼児期と基本的に同じだと瀧氏は説明する。たくさん会話をして愛着を形成しながら、知的好奇心を育む働きかけが重要だ。年を重ねた分、語彙が増え、理解や体験できるものも増えているため、絵本だけでなく「図鑑」など少し難度の高い内容の本にもチャレンジできるようになるという。

脳科学が示す二つの効果

子どもの知的好奇心を伸ばすために脳科学の視点で活用できるのが「単純接触効果」だ。人は何度も見たり聞いたりすることで、その対象に対する興味・関心が湧きやすくなる。恋愛関係において近くにいる人のことを好きになりやすいのも、この効果が働いているからだと瀧氏は述べている。

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もう一つ活用できるのが「流暢性効果」で、ある物事について少し知っていると、より興味・関心が湧きやすくなるという効果だ。白いチョウが飛んでいたときに、昆虫に興味がある人であれば「これはモンシロチョウか、スジグロシロチョウか?」「いやこの時期に、このエリアにいるということは……」と、目の前の情報を受け取るだけにとどまらず、より深い関心を寄せていくのはこの効果が働いているからだと説明する。車やアパレルなど、そのブランドを知っているかどうかでモノの見え方が変わるのも、この効果だという。

日常生活での応用と注意点

これらの効果を使うことで、算数の「速さ」の単元への苦手意識を軽減させる工夫を家族のドライブ中にできたり、虫や魚など自然体験への興味を引き出せたりするので、覚えておいてほしいと瀧氏は述べている。

単純接触効果を生むのに、図鑑ではなく動画ではダメかという質問に対して、瀧氏は「子どもが小さければ小さいほど生身の人間が直接教えるのがよい」と脳科学的に説明している。愛着形成に役立つのはもちろん、ゲームやスマホなどは音や光など得られる刺激が子どもにとっては強すぎることから、やめづらくなる依存性が指摘されている。魚釣りや虫捕り、図鑑などの楽しさに触れる前に、デジタルの刺激に触れすぎると、知的好奇心を伸ばすのに有効な時間を退屈に感じてしまうおそれがある。共働きで忙しい家庭も多いため「絶対ダメ」とは言わないが、デジタルに触れる時間はなるべく短くしてほしいと述べている。

最も重要なのは「褒める」こと

最後に瀧氏は、最も重要なのは「褒める」ことだと強調している。これまで述べてきたことを参考にたくさん褒め、難題にも恐れずに挑むチャレンジ精神をこの時期に育んでほしいと述べている。

※本稿は、『プレジデントFamily2026春号』の一部を再編集したものです。

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