AI中退予測が示す大学生の不登校リスク 欠席・成績・高校タイプに傾向、大学に求められる入学者ケアとは
AI中退予測が示す大学生の不登校リスク 欠席・成績・高校タイプに傾向、大学に求められる入学者ケアとは

日本全体の大学の中退率は年間2%程度だ。単純計算では、大学4年間で累積約8%になる。さらに、大学ごとに状況は大きく異なる。

「偏差値が高い大規模大学では中退率が低い傾向がある一方で、偏差値45前後の私立大学では中退率が4年間で12~16%程度という研究結果もあります。また、4年間の累積中退率が30%に達する大学もあり、これは対策が急務であることを示す数値です」

中退は学生にとって大きな機会損失であり、学生納付金への依存度が高い私立大学にとっても経営面で看過できない問題だ。

Pickt横長バナー — Telegram用の共同買い物リストアプリ

「中退理由も大学によって異なり、薬学部や看護学部など国家試験を目指す学部では学業不振で中退するケースが多く見られます。入学者層が多様な大学では、学習習慣がうまく身に付かず、授業に来なくなってしまう学生も少なくありません。中退を防ぐための施策は、大学ごとに主な要因を見極めながら考えていく必要があります」

AIで中退を予測する

こうした中で注目されているのが、AIを用いた中退予測だ。白鳥氏らの研究によれば、1年生の春学期終了時点のデータから、その後中退する学生を7割以上の精度で予測できるという。

白鳥氏は「実際に中退に至るのは2年次以降であっても、多くの場合、その予兆は1年生の春学期の時点で出ている」と話す。

中退予測において、特に重要になるのが「欠席日数」だ。大学入学後の欠席日数に加え、高校時代の欠席日数、大学1年次の春学期の成績や修得単位数なども、リスクを見極める手がかりになるという。

また、高校のタイプに着目すると、「通信制高校の出身者は、大学入学後に不登校や中退に至りやすい傾向がデータ上に表れている」(白鳥氏)そうだ。

データは排除のためではなく支援のために

ただし、白鳥氏は次のように強調する。「高校のタイプや、高校・大学での欠席日数といったデータは、特定の背景を持つ学生を排除するためではなく、多様な学生の入学を前提に、大学側が教育体制を考えるために活用すべきものです」

では、大学はどのタイミングで支援を行えばよいのか。白鳥氏は、データに基づく早期介入の重要性を説く。

Pickt記事後バナー — 家族イラスト付きの共同買い物リストアプリ