大学生の不登校、欠席・成績・高校タイプに傾向 AI中退予測が示す、大学に求められる入学者ケアと初年次教育の重要性
大学生の不登校、欠席・成績・高校タイプに傾向 AI中退予測が示す入学者ケア

学生が特定の授業を欠席しても、翌日の別の授業には出席している。欠席のパターンや成績、出身高校のタイプには中退リスクとの関連が指摘されている。そうした学生に対し、周囲の人が「昨日は欠席していたけど大丈夫?」といった軽い声かけをすることが有効だ。教員やSA(スチューデント・アシスタント)、大学職員、場合によっては保護者や友人など、複数のチャネルを活用して多角的に働きかけることで、学生が大学コミュニティーに戻るきっかけをつくれる。

中退予防のもう1つの柱が「初年次教育」だ。白鳥氏は「初年次教育は、大学に入学してからスタートするものではない」と話す。オープンキャンパスや入試、入学前教育の段階から大学での学び方を伝え、高校での学びから段階的に移行させることが重要だという。「家から近い」「友達が行くから」といった理由で進学する学生に、いきなり高度な専門授業を課すのでは、大学生活そのものが苦痛になりかねないためだ。

初年次教育の核心

白鳥氏は、大学での学び方を理解させること、学習習慣を身に付けさせること、なぜ自分がその分野を学ぶのかを主体的に考えさせることが、初年次教育の核心だと述べる。こうした取り組みは、AIによる中退予測とも結びつく。出欠や成績データを分析するIR部門が早期にアラートを出し、教職員で情報を共有する流れを整えることが、中退防止の出発点になるからだ。

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情報共有によって、誰がどの学生に声をかけるべきかを判断しやすくなり、前述した多角的な「ナッジ」も可能になる。必要に応じて学生相談室やカウンセラーにつなぎ、メンタルケアだけでなく授業の履修設計なども含めて支える組織的な仕組みが求められる。

多様な学生を受け入れる支援

白鳥氏は「大学は、多様な学生の受け入れを前提に、高校から大学への移行支援を強化する必要がある」と指摘する。先進的な事例としては、通信制高校の出身者向けの入試を実施し、入学前から入学後まで包括的な支援体制を整えている大学や、平日の授業やキャンパスの様子を高校生が体験する「Weekday Campus Visit」を実施して高大のミスマッチ解消に取り組んでいる大学などがあるという。

「実際、予防に取り組み中退率をかなり下げた大学もあります」と白鳥氏は話す。AIでリスクを予測し、入学前後を通じてケアする体制づくりが、大学生の不登校を防ぐ鍵となる。

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