少子高齢化が進む日本で、地方ローカル線の存廃は全国的な課題だ。沿線人口の減少により利用者が減り、慢性的な赤字に陥る路線も少なくない。そんな中、滋賀県の近江鉄道は、鉄道を単なる移動手段ではなく「コンテンツ」として捉え直し、地域を巻き込んだ新たな取り組みを始めている。
サッカー大会とロゲイニングで地域活性化
近江鉄道は2026年11月頃、沿線の競技場で小学生サッカーチームによる2日間の大会を開催する。優勝賞品は特産の近江牛。会場では地元企業が出店し、名産品販売や体験プログラムを提供。応援や引率で訪れた保護者や兄弟が試合の合間にこれらを楽しむ。同社初の試みで、32チーム、延べ2200人の動員を見込む。鉄道利用の増加だけでなく、消費効果を地域全体に波及させる狙いがある。大会後は上位2チームの名前をヘッドマークにした特別電車も運行予定だ。
公有民営化で再生途上
近江鉄道は、自治体との長い議論の末、設備の維持管理を自治体が負担する「上下分離方式」、いわゆる公有民営化で再生を進めている。赤字を背負わせる現状に甘んじず、地域ぐるみで新たな賑わいを生み出そうとする姿勢が、他の地方鉄路の試金石となり得る。



