9月1日から、多くの生活道路で車の法定速度が時速60キロから30キロに引き下げられる。住宅街や学校の周辺など、日常的に使う身近な道路が対象となる。新たな交通ルールの変更について、対象となる現地を取材すると、周知が進んでいない実態が見えてきた。
現場から見える現状
東京都江戸川区東葛西6丁目にある区道の幅は4.4メートルで、車がすれ違うのに余裕はほとんどない。周辺には中学校や小学校、公園があり、歩行者もいる。この道路も今回、法定速度が60キロから30キロに引き下げられる対象の一つだ。
近くの老人ホームに勤務する江戸川区の女性(46)は、この道を避けて通勤している。車の通行量が多いわけではないが、車同士がすれ違うだけでも狭く、こわく感じるからだという。付近を通るのは、老人ホームの入所者との散歩の時間だ。複数人の高齢者と歩いていると、多くの車はスピードを緩めてくれるが、中には速度そのままに走り去っていく車もあり、ドライバーには「30キロの制限が浸透してほしい」と話す。
住民の受け止め
女性は小学3年生から中学2年生の子ども4人の母親でもある。日ごろスピードを出す車を見ることは多くないが、「事故がないことに越したことはない」と時速30キロの設定を歓迎する。
近くで休憩していたタクシー運転手の男性(73)は、学校がある付近では普段から歩行者や自転車の飛び出しを警戒しており、「そもそもスピードを出していない。新たなルールになっても運転の仕方は変わらないだろう」と話す。
周知が課題に
現地での取材では、新たな交通ルールの変更について、ドライバーへの周知が十分に進んでいない実態も見えてきた。9月1日の施行に向け、今後の周知活動が求められる。



