イラン戦闘終結合意でも旅行業界に残る燃料高騰と減便の爪痕
イラン戦闘終結合意でも旅行業界に残る爪痕

イラン戦争の終結に向けた合意が報じられる中、航空旅行業界には依然として深刻な影響が残っている。戦闘終結後も、ジェット燃料の高騰と供給不足、そしてそれに伴う減便や欠航の爪痕は簡単には消えない。

ジェット燃料価格は戦前比5割高、供給不足は続く

ホルムズ海峡の封鎖により、2026年2月下旬に1バレルあたり90ドル台だったジェット燃料は、4月上旬には200ドルを突破した。その後落ち着いたものの、2026年6月中旬現在でも約140ドルを維持しており、戦争前と比べて約5割高い水準にある。最悪の状態は脱したものの、戦前の水準に戻るにはほど遠い状況だ。

国際航空運送協会(IATA)によれば、世界全体の航空会社の営業費用に占める燃料費の割合は、2025年の25.4%から2026年は31.4%に上昇する見通しである。このコスト増は航空券価格に転嫁され、旅行者の負担増につながっている。

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減便・欠航の影響は広範囲に

燃料高騰と供給不足は、単なる航空券の値上がりにとどまらず、飛行機自体が飛ばない事態を引き起こしている。ルフトハンザ航空は2026年10月までに計2万便の減便を発表。KLMオランダ航空やスカンジナビア航空なども採算性の低い短距離路線の運休に踏み切っている。

フィリピンでは2026年3月末、燃料逼迫による緊急事態が宣言され、配給制や減便の動きが拡大。イタリアでも同年4月時点で、ミラノ、ボローニャ、ヴェネツィアなど国内主要7空港で航空機への給油制限が課された。

旅行ジャーナリストの橋賀秀紀氏は自身の体験を次のように語る。「2026年5月に中国国際航空で羽田発北京経由カイロ往復の航空券(往復総額約6万6000円)を購入したが、往路の北京発カイロ行きが欠航となった。2日前への前倒しを提案されたが予定が合わず、結局渡航そのものを取りやめた。航空券は全額返金された」。

旅行者に求められるリスク回避策

燃料高騰と不足の中、航空会社は不採算路線や重要度の低い路線から欠航させる傾向が強まっている。旅行者としては、当面は便数が多く、その航空会社の基幹路線となる行き先を選ぶなどして、減便・欠航のリスクを下げるしかない。

また、戦争終結後も航空券価格がすぐに下がるとは限らない。一部では戦前と同水準の航空券も見られるが、全体的には高止まりが続くと予想される。旅行を計画する際は、柔軟な日程変更やキャンセルポリシーの確認が重要だ。

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