猛暑で外遊びが難しい夏休み。家で過ごす時間が増えると、「遊びがワンパターンになる」「何をして遊ばせればいいかわからない」と悩むこともある。そんなとき、どうやって子どもが夢中になれる遊びを見つければいいのだろうか。
アンケート結果をもとに、子どもの遊びや成長に関する事業に携わり、自身も10歳の娘を育てるボーネルンド代表取締役社長・中西みのりさんに話を聞いた。
外に出られない日の遊び、親の考えは?
マイナビニュース読者で0歳〜12歳の子どもを育てる保護者172人に、暑い日や雨の日の過ごし方についてアンケート調査を実施した。子どもの遊びへの関わり方について、最も多かったのは「親子で遊ぶ時間と、一人で遊ぶ時間の両方が大切」と「特に意識したことはない」で、ともに23.8%だった。一方、「正解がわからない」という回答も2割を超え、迷っている保護者も少なくないようだ。
具体的な悩みとしては、「家の中で遊んでいても飽きるので大型ショッピングモールで遊ぶとお金がかかる」(宮崎県・44歳・女性)、「過ごし方がどうしてもワンパターンになってしまう点が困っている」(石川県・32歳・男性)、「子どもが自発的に動けるようになってほしい」(新潟県・43歳・男性)などの声が寄せられた。
家事も立派な遊びに
中西さんは「特別な遊びでなくても、日常生活の中の家事をいっしょにやってみるのも方法の1つかもしれません。遊びって、実は生活そのものとつながっているんです」と話す。
1歳くらいの赤ちゃんでも、親が自分にご飯を食べさせるように、親の口もとにスプーンを持っていく動きをすることがある。これは親のまねをするごっこ遊びの始まりで、遊びはそういうところから少しずつ発展していくものだという。
料理もごっこ遊びの延長線上にあり、実際に食べられるという達成感があり、食べて喜んでもらえたらうれしい。自分でレシピを読めるようになると、レシピを理解し、順序立てて作り、完成させるという体験が大きな達成感につながる。
中西さんは自身の経験を踏まえ、「子どもは親と同じように本物を使いたがります。私の娘も、とにかくなんでも手伝いたがる子でしたから、幼児期に子ども用の包丁とまな板を用意して、一緒に野菜を切るようなところから始めました」と語る。
本物を使う経験をすると、次におもちゃ遊びに戻ったときに、より本格的な遊びにレベルアップする。子どもにとっては遊びと生活に境界線がないため、わざわざ遊びやおもちゃを用意しなくても、生活の中の家事を一緒にやってみることで子どもは楽しめるという。
ワンパターンな遊び、変えるべき?
アンケートでは「子どもが自分で遊びを見つけられるようになってほしい」という声もあった。中西さんは「親が『ワンパターンだな』と思ったとしても、子どもにとっては必ずしもそうとは限りません。子どもにとっては好きな遊びを繰り返すこと、たとえばいつもブロック遊びをするとか、車や電車を動かしているとか、そういった遊びが『心を整える』ことにつながっている場合もあります」と説明する。
もし遊びを発展させたいなら、子どもの様子を見ながら「こっちにおうちを作ってみようか」「あっちから違う色の電車がきたよ〜」などと少しだけきっかけを作ってあげるといいという。
子どもに合った遊びの見つけ方
中西さんは「子どもの気質や個性によって、その子に合った遊びがあるので、そこを見てあげることが大事だと思います」と話す。例えば、アクティブでエネルギーがあり余っている子には、料理やお絵描きよりも体を動かす遊びが合うかもしれない。
親子の日々の対話の中に、その子らしさが見え隠れする。おしゃべりが大好きで、どんどん話が展開していく子どもは、想像遊びや物語の世界に入り込む遊びが合うだろう。
ボーネルンドが運営する室内あそび場「キドキド」にもいろいろな子が遊びに来るが、同じ遊具でも子どもによって遊び方が全然違う。様子を見ていると、その子がどんなことに達成感を得るか、何に喜びを感じるか、といったその子らしさが見えてくるという。
中西さん自身、娘さんと遊びのタイプがまったく違うそうだ。娘さんがマグネットブロック「マグ・フォーマー」で遊んでいたとき、形を作るのではなく四角いパーツを1つ1つ床に並べ、ビーズを中心に配置して楽しんでいた。中西さんは「私はどちらかというと、たくさんのパーツでいろんな作品を作りたいタイプなので、娘の遊び方を見て驚きました。でもそのときに、子どもによって本当に遊び方が違うし『正しい遊び方』はないんだと、改めて気づきました」と振り返る。
子どもの興味がわからない場合は、会話ができる年齢なら本人に聞いてみるのがいい。中西さんは「私はよく娘に『私はこれすごく面白いと思うんだけど、どう思う?』と聞いてみるんです。すると『こっちの方がいいよ』とか、『これは好きじゃない』とか、子どもなりの嗜好が見えてきます」と話す。
親子がお互いを理解し合うために
最後に、中西さんは子育て中の読者に向けて「アンケートの自由回答欄では、親御さんたちがお子さんの遊びに対していろいろと悩みを持っている様子がうかがえました。こうして悩みを書いてくださっているだけでも、十分にお子さんに向き合っているとわかりますし、すばらしいことだと思います」とメッセージを送る。
「子どもには幸せになってほしいし、自立して生きてほしいから、どう育てればいいのか、関わればいいのか一生懸命考えるものですよね。その気持ちは、きっといつか子どもに伝わるはず。私はそう信じています」
そして、「子どものことを考えることはもちろん大事ですが、子どもに親自身のことを理解してもらうのもいいと思います。『お母さんはこう思っているよ』『こういうのが好きなんだよ』『これは苦手なんだよ』と伝えてみてはどうでしょうか。子どもだって親のことを知りたいですし、ちゃんと理解できるはずです。そうやって親子が人としてお互いを理解していくことで、よい関係性を育んでいってほしいですね」と語った。



