前橋市の遊園地「るなぱあく」、スタッフ3割超が65歳以上 シニアが支える運営
前橋の遊園地、スタッフ3割超が65歳以上 シニアが支える

前橋市の児童遊園「るなぱあく」では、スタッフ約50人の3割超にあたる16人が65歳以上のシニア世代だ。ゴーカートやミニジェットコースターなど8種類のアトラクションのメンテナンスや接客を担い、地域密着型の遊園地を支えている。セカンドキャリアとして20年近く働く高齢者もおり、超高齢社会の働き方の一つのモデルとなっている。

シニアスタッフが担う多様な業務

午前8時半、開園1時間前。スタッフの大塚利秋さん(76)はスパナを手に、ゴーカートのねじの締まり具合を入念に確認する。同僚の吉田稔さん(74)はミニジェットコースターを動かし、音や振動に異常がないか細かくチェックする。

大塚さんは自動車ディーラーの整備士を定年退職し、知人の紹介で働き始めた。吉田さんは元JA職員だ。2人は施設課に所属し、アトラクションの整備や修理、園内の植栽、清掃、接客と幅広い仕事をこなしている。

園側は疲労をためないよう、連続勤務を避けたり、性格を考慮してペアを組んだりと働きやすい環境づくりに配慮する。勤務日数も希望に合わせて柔軟に対応している。

自分のペースで働き続ける

大塚さんと吉田さんはともに今年で勤続17年になる。勤務時間はまちまちで、週に2~4回出勤しているという吉田さんは「一日中、外仕事なので体力的にきついと思うことはある。でも、疲れがたまったら休める。自分のペースで働けることが何よりありがたい」と語る。植栽は元から得意だったが、アトラクションの整備などは大塚さんから手ほどきを受けて一から学んだという。

るなぱあくは昭和29年に前橋市立の遊園地として開園した。面積はサッカーコート2面ほどで広くはないが、「地域密着」が魅力の一つだ。アトラクションは1回50円、入園料は無料で、毎日のように訪れる近隣の子供もいる。

高齢者の枠を設けて採用しているわけではないが、年齢制限も設けていない。シニアスタッフが知人を紹介して採用が決まるケースも多く、自然と高齢世代が増えていった。

地域に根ざした接客の魅力

安藤晃子副園長(42)は「シニア世代のスタッフと顔見知りになる常連の子供もいて、おじいちゃんと孫のような関係性で、子供が危ないことをしたときには叱ることもある。ローカルな遊園地として、マニュアル的でない接客が魅力だ」と話す。

大塚さんは「子供の安全に直結するから、体力の限界を感じたらやめざるを得ない。でも、しばらくは大丈夫。子供から『ありがとう』って手紙をもらったら、もうやめられないよ」と顔をほころばせた。

高齢就業者は過去最多

総務省の労働力調査によると、令和7年の65歳以上の就業者は943万人で、平成16年以降22年連続の増加となり過去最多を記録した。15歳以上の就業者総数(6828万人)に占める割合は13.8%で、こちらも過去最高だった。

16年の高齢者雇用安定法改正で65歳までの雇用が原則義務化され、高齢者の雇用環境は大きく変わった。少子高齢化と人手不足が進む中、多くの企業で高齢者は貴重な戦力として扱われている。年代別の就業率は65~69歳が54.5%、70~74歳が36.2%、75歳以上でも12.6%で、8人に1人が働いている計算だ。